
初日の夕刻、ウェルカムレセプションに参集した各界のTOPたち
9月24日から東京ビッグサイトで「ツーリズムEXPOジャパン2026」が開幕しました。24、25日の2日間は業界・プレス日、26、27日は一般日として開催され、今年は「進化する旅のカタチ」をテーマに掲げています。
筆者は業界日の2日間、会場を回りました。今回は航空ジャーナリストとして今後の取材調整に加え、コンサルタントを引き受けている旅行会社のB2B業務も目的としており、時間のほぼ半分ずつを取材と商談にあてました。
普段はメディア側から見る展示会ですが、旅行会社の立場でブースを訪ねてみると、見えてくる景色はかなり異なります。航空会社や観光局が何をアピールするかだけでなく、「この企業と実際にどのような商売ができるのか」という視点で歩くことになり、ツーリズムEXPOが業界関係者にとって巨大な商談の場でもあることをあらためて実感しました。

東京ビックサイトの入り口付近
常連企業の不在が示す変化
会場を歩いて気になったのが、これまで存在感を示してきた企業や観光局の不在です。TRAICYの後藤編集長はXで、HIS、香港政府観光局、サウジアラビア政府観光局などが姿を消したことに触れ、「ツーリズムEXPOに未来はあるのだろうか」と問題提起していました。
航空分野で特に目についたのが中東勢です。これまで常連だったカタール航空を含め、エミレーツ航空、エティハド航空という中東3社の大手航空会社が今回はブースを構えていませんでした。中東情勢の影響も無視できないでしょうが、世界規模の旅行イベントを掲げる以上、世界の航空業界を代表するプレーヤーの不在はやはり寂しく感じます。
中東情勢を追い風にするターキッシュ エアラインズ
その中で対照的に勢いを感じさせたのがターキッシュ エアラインズです。トルコは地理的には中東なものの欧州寄りでアジアと結ぶ位置にあり、イスタンブールを巨大なハブとして世界各地を結んでいます。中東系航空会社の運航状況が不安定になる局面では、その需要を取り込める立場でもあります。
実際、同社は好調な需要を背景に広報部長によると平均搭乗率は90%を超えているとのこと。路線によっては予約の取れない事態も発生していると言います。
さらにツーリズムEXPO開幕日には、ボーイング737 MAXを最大150機導入する大型契約を発表しました。内訳は737-8型機100機の確定発注と、50機のオプション契約です。同社として過去最大規模のボーイング単通路機発注です。
世界の航空市場の変化を敏感に捉えながら成長を続けるターキッシュ エアラインズの存在感は、今回の会場でも印象に残りました。

A350-900のビジネスクラスシートと787‐9型モデルをお披露目
JALグループとジェットスターに見えるブランド戦略
日本の航空会社を見ると、JALグループは大きなブースを設け、JALだけでなくZIPAIR、SPRING JAPANも同じ場所でPRしていました。JALブースではA350-1000のファーストクラスやビジネスクラスを体験できるVRなども用意されています。
一方、ジェットスター・ジャパンはJALグループでありながら独自ブースを構えていました。同社はブランド移行を控えており、会場でJAL関係者に聞いたところ、新しいブランド名はまだ決まっておらず、当初は秋ごろの発表が想定されていましたが、年内程度までずれ込む可能性が高いようです。

独立したブースを設置したジェットスタージャパン
同じJALグループにありながら、ZIPAIR、SPRING JAPAN、そしてブランド変更を控えるジェットスター・ジャパンを今後どのように整理していくのか。これは単なる名称変更ではなく、JALグループのLCC市場戦略そのものを占うテーマとなりそうです。

JALのブースです
本当に世界最大級なのか
2日間、会場を歩いて感じたのは、ツーリズムEXPOジャパンが依然として多くの人と情報が集まる貴重な場所である一方、「世界最大級」を掲げ続けるためには次の一手が必要になっているということです。
旅の形が進化するのであれば、その旅を紹介する展示会の形もまた進化する必要があります。来年以降、どのように航空会社や各国政府観光局を呼び戻し、世界の旅行業界から選ばれるイベントになっていくのか。同様に世界最大級を掲げる名前の知られたITBやWTMなどを参考にツーリズムEXPOジャパンそのものも、いま一つの転換点を迎えているように感じました。

