世界で、中東やアジアのエアラインの成長の勢いは欧米以上と言われています。その中でも、国土が広く人口の広い国は航空産業にとって追い風なのは言うまでもありません。中国やインドはまだまだこれからも伸長を続けると思われます。
その他の国はどうでしょう。筆者は、ベトナムに注目しています。国土面積こそ日本と同程度ながら、日本以上に細長い国土は、航空輸送に適しているからです。
日本の二大都市東京と大阪の500kmあまりの距離でも航空輸送は活発です。
ベトナムの二大都市、北部のハノイと南部のホーチミンは3倍以上の1,600kmもあるため、鉄道で35時間乗り通す人より空路を2時間で行く人が多くいます。
1956年創業で64年の歴史ある国営ベトナム航空がベトナムで首位の輸送力を持っています。LCCであるベトジェットエアは2007年に創立し、13年の歴史しかないながら破竹の勢いでベトナム航空を追い上げています。
2018年の有償旅客キロ(RPK)では、世界58位のベトナム航空が対前年+2%の増加に対し、世界74位のベトジェットエアが対前年33.8%と追い上げています。この数字は特筆もの。100位以内でベトジェットよりも比率の高いのは、ノルウェーのLCCノルウェイジャンだけしかないということ。素晴らしい数字です。
2019年に創業したバンブーエアウェイズは同じエアバスA321を就航させながら、当初より長距離便に乗り入れる構想でボーイング787-9を導入しました。更には、ベトナムのコングロマリット「ビングループ」がエアラインを立ち上げるニュースがありました。ただ、この「ビンパール航空」構想は設立断念のニュースが流れました。
ベトジェットエアはエアバスA321XLRを15機発注し、オーストラリア路線へ投入します。フルサービスのベトナム航空とLCCのバンブーエアウェイズに挟まれたかたちの「ニューエイジキャリア」ベトジェットエアから目が離せません。
搭乗記録は連載コラム「空旅のススメ」に掲載しています。