
吉村大阪府知事も参加したセレモニーのテープカットの様子
航空業界ではオンライン予約の普及に伴い、過去には当たり前にあった各航空会社が実店舗の旅行カウンターを縮小・廃止する動きが加速しています。そのような中、輸送力世界のTOP5に入るエミレーツ航空が、極東地域で4番目の「エミレーツ・トラベル・ストア大阪」をオープンしましたので、7月8日にセレモニーに参加してきました。
これは単なる逆張りなのでしょうか? 今回は、この新たな試みが持つ意味と、ストアの役割についてお知らせします。

エグゼクティブ・バイス・プレジデント ナビル・スルタン氏(中)、極東地区商業担当上級副社長 オルハン・アッバース氏(右)、 日本支社長 サティシュ・セティ氏(左)
地域との連携を強化するための「拠点」
多くの航空会社がオンラインへのシフトを進める中で、エミレーツ航空が実店舗を構えることは、一見すると時代に逆行しているように思えます。しかし、セレモニーに参加し幹部にインタビューしますと、その真意が見えてきました。
エミレーツ航空のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるナビル・スルタン氏は、大阪府知事の吉村洋文氏、駐日アラブ首長国連邦 特命全権大使のシハブ・アルファヒーム閣下とともにテープカットに挑みました。

接客の様子
ナビル氏は「日本はエミレーツにとって非常に重要な市場であり、ストアのオープンは、関西地域のお客様やパートナー企業の皆様とのつながりを深め、当社の製品やサービスをより身近に感じていただくための、私たちの責任だと思います」と述べています 。
つまり、この「トラベル・ストア」は単なる販売所ではなく、地域のお客様やパートナーとの関係性を強化するための「拠点」としての役割を担っているのです。オンラインでは得られない、対面でのきめ細やかなサービスを通じて、顧客満足度を高め、ロイヤルティを築いていく狙いがあると言えるでしょう。

日本人スタッフが接客にあたる
物品販売ではなく「トラベル」の販売:パーソナルな旅の提案
エミレーツ航空のグッズ販売店を想像する方もいるかもしれません。実際に展示されるエミレーツ航空グッズはオンラインショッピングで購入は可能と説明がありました。「お客様一人ひとりに合わせた旅のご提案が可能な専用スペースとして、経験豊富なスタッフによるきめ細やかなサービスを提供します」と同社は話します。
このストアでは、航空券の予約はもちろんのこと、旅行に関する情報提供や、お客様のニーズに合わせた旅程の提案など、まさに「トラベル」そのものの言わば夢を売る場所と言えるでしょう 。多言語対応のスタッフが常駐し、現代的なラグジュアリーと快適さを兼ね備えた空間で、専任の社員であるトラベルコンサルタントが質の高いサービスを提供します。

展示のグッズはネットショップで注文できる
セルフサービス端末やパーソナライズ機能付きの順番管理システムも導入されており、最新のテクノロジーと人の温かさを融合させた、新しい形の顧客体験を提供しようとしていることが伺えます 。

来場者の撮影で待ち受け画面が作成できる画面の前で説明する山本さん
エミレーツ航空は、関西国際空港、成田国際空港、羽田空港へ毎日運航しており、日本路線全体で最新仕様の機材による快適なプロダクトを提供しています 。
今回のトラベル・ストア開設は、その優れたプロダクトを最大限に活かし、顧客一人ひとりに寄り添った旅のサポートを強化することで、より深い顧客体験を提供するための戦略的な一歩と言えるでしょう。

全面ガラスのおしゃれな空間が垣間見える入口付近
「エミレーツ・トラベル・ストア大阪」は、JR大阪駅に隣接するKITTE大阪一階に位置し、月曜日から金曜日の午前11時から午後7時まで営業しています(午後1時~2時は一時閉店) 。土曜日・日曜日および祝日は休業です 。オンラインでは得られない「人」を通じたきめ細やかなサービスを求める方にとって、心強い存在となりそうです。