エンブラエルは2023年10月13日、トヨタ生産システム(TPS)の基礎と概念を自社の製造工程に適用するためブラジルトヨタとの契約の拡大を発表しました。両社は2022年6月以来、サンパウロ州のサン・ジョゼ・ドス・カンポスにあるエンブラエルの主力工場であるオジレス・シルバ・ユニットでの製造の評価と改善提案に向けて協力しています。
E-Jets 商用ジェット「翼」の生産段階で導入された新しい方法論の導入により、製造サイクルが 50% という大幅な短縮につながりました。翼の製造における総製造時間が 17% 短縮され、全体の効率が約 20% 向上しました。エンブラエル エンタープライズ エクセレンス プログラム (P3E) チームは、トヨタとのこれらの共同イニシアチブの実施を翼製造から他の段階にも拡大します。
エンブラエルのエグゼクティブバイスプレジデント、ルイス・カルロス・マリーニョ氏は次のように述べています。「継続的なアイデアの交換、チームの関与、継続的な知識の深化は、重要な成果を得て持続可能な方法で効率性の向上を高めるための基礎でした。また、私たちは、生産システムにおけるベストプラクティスの普及をさらに強化し加速する契約の拡大に満足しています。」
トヨタのラテンアメリカのCEO井上正博氏は次のように述べています。「このパートナーシップには、会社の運営を強化するために、経験を交換し、共同ソリューションのアイデアを育むことが含まれます。このパートナーシップは、人材の育成と、継続的な改善に焦点を当てる考え方の適応にも重点を置いているということを強調することが重要です。」
エンブラエルは、P3Eの基礎、概念、実践を広める中核的なビジネス戦略としてリーン哲学(アメリカMIT考案のムダを排除する生産哲学)を採用しています。このプログラムは、主要な変革を調整する上で極めて重要な役割を果たし、企業全体がプロセスの改善に飛躍するための方法を提供します。このシステムは、最適なコスト効率を維持しながら、安全第一、揺るぎない品質、一貫した納期を優先します。同社は 2024 年までにカーボンニュートラルを達成し、ブラジル事業のエネルギーを 100% 再生可能資源から調達することに取り組んでいます。
日本の誇るトヨタの生産方式が地球の裏側のブラジルでしかも航空機生産に採用が拡大されることは喜ばしいことです。このような機会を経て、三菱重工でできなかった航空機生産がトヨタによってもたらされるようになればいいと思います。
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