ブラジルのリージョナル航空機メーカー「エンブラエル」は、“加速する”という意味のアクセラレーターというコレクターカードシリーズを過日開催したシンガポールエアショーで配布開始しました。
一般的には、若者や趣味人向けに考えられた商法が、バリバリのビジネスマンの商談の場に現れたことが意外でもあり、また楽しくもあります。
エンブラエルは、自社の航空機を各国のエアショーで発表する時に、聴衆の目を惹く生き物の顔を機首に描くようなマーケティングを行って来ました。筆者が2017年にパリエアショーに行った際に初めてE195-E2機首のワシを発見しました。
当初は機首部分だけのデザインが、エアショーの会を重ねるごとに派手に機体全体に大きく描かれるようになったのです。これらのマーケティングの延長に今回のトレーディングカード戦略があるように思えます。
シンガポールでは、3種類のカードがそれぞれ100/300/2000枚と言う限定で配布され、今後もエアショーなどのイベントで配布されるようです。カードの中には、ファクトファイルといって、エンブラエルの製品、コンセプト、サービスに関する興味深い事実や、同社航空機が運航する目的地に関する情報が印刷されています。
航空機メーカーのコレクターカード作成など誰も考えなかった画期的な戦略。カードで航空機の発注が増えるとは思えませんが、メーカーの懐の深さが解るニュースです。