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成田空港で出発を待つパンアメリカン航空ボーイング747‐200型機
2027年は、かつて世界の空をリードしたパンアメリカン航空(パンナム)が創業100周年を迎える年となります。1991年に運航を停止してから35年近くが経過しましたが、米国では航空博物館での特別展示や記念イベント、往年の飛行艇航路をたどるクルーズなど、さまざまな記念事業が計画されています。航空史に大きな足跡を残したパンナムの存在が、再び注目を集めようとしています。

HISTORY OF HANEDA空をつなぐ。展でパンナムモデル設置で訪問したT1 5FのTHE HANEDA HOUSE特設会場にて
シアトルで見たパンナムの制服
筆者は今年7月、シアトルのミュージアム・オブ・フライトを訪問しました。同館では「Runway to Runway」と題した客室乗務員の制服特別展が開催されており、パンナムをはじめ、かつての航空会社の制服や制帽、バッグ、スカーフなどが展示されていました。(詳細は現在全国書店発売の「航空ファン」誌12月号連載の「ヒコーキおもちゃ箱」ご参照)

シアトルのミュージアムオブフライト
パンナムの制服は、航空旅行が特別な体験だった時代を象徴する存在です。著名デザイナーによる洗練されたデザインからも、同社が築いたブランドの強さが伝わってきました。展示は2027年1月18日まで続きます。

ミュージアムオブフライトのパンナム制服展示
ただ、この時点では筆者も翌年がパンナム創業100周年に当たることに気付いていませんでした。

ミュージアムオブフライトのパンナムバッグ(一番下)
サンフランシスコで知った100周年特別展
知ることとなったのは今年10月、サンフランシスコ国際空港の国際線ターミナルにある航空博物館・図書館を訪れた際のことです。今年2月の訪問で取材した際にお世話になった、キュレーターのサミュエルさんから、2027年4月頃から約1年間、パンナム創業100周年を記念した特別展を開催する計画があると聞きました。

SFOMuseumのAviation Museum &libraryの壁面がパンナム展示になる
同館を運営するSFOミュージアムは1980年に設立され、約15万3,000点の資料を収蔵しています。パンナムが太平洋横断航空路を開拓したサンフランシスコは、同社の歴史を語るうえで欠かせない都市なのです。

SFOMuseumの入り口にあるPAN AMネーム入り巨大地球儀
パンナム博物館財団のポッドキャスト第66回でも、同館の収蔵品管理担当者ケン・ヤジー氏が2027年の記念展示開催を明言しています。展示期間や内容の正式発表が待たれます。

サンフランシスコ国際空港でのボーイング747SP機
ニューヨークでも受け継がれるパンナムの歴史
ニューヨーク州ロングアイランドの航空発祥博物館(Cradle of Aviation Museum)には、パンナム博物館財団による常設展示があります。
飛行艇ボーイング314やボーイング747など、パンナムが切り開いた航空輸送の歴史を紹介しており、元社員らが資料の保存に取り組んでいます。関係団体では2027年に全米規模の100周年記念行事を開催する構想も進んでいます。

ミュージアムオブフライトのパンナムスカーフの展示
マイアミでは10月に記念行事
パンナムは1927年10月28日、フロリダ州キーウェストからキューバのハバナへの定期航空郵便輸送を開始しました。
その100周年となる2027年10月28日には、マイアミのココナッツグローブ地区にある「The Hangar」で記念イベントが、翌29日にはマイアミ・マリオット・マーキスで記念集会が計画されています。
パンナム再始動を目指す関係者によるもので、元社員や航空関係者の参加、特別講演などが予定されています。

ミュージアムオブフライトの客室乗務員制服展(一番左はアラスカ航空のもの)
飛行艇の航路をクルーズ船で再現
航空会社の記念事業としてユニークなのが、ホーランド・アメリカ・ラインによる28日間の「パンナム100周年記念クルーズ」です。
2027年10月30日にマイアミを出港する客船ザイデルダムが、カリブ海や中米、メキシコの18寄港地を巡ります。かつてパンナムの飛行艇「クリッパー」が開拓した航路をたどり、船内では歴史講演や当時をイメージした食事なども用意されます。

THE HISTORY OF HANEDA 空をつなぐ。展の案内チラシ(自作)
羽田でもパンナムの記憶を次世代へ
日本にもパンナムの歴史を伝える場所があります。現在、羽田空港第1ターミナル5階で開催されている「THE HISTORY OF HANEDA 空がつなぐ。」展です。
2027年3月31日までの会期で、羽田に就航したパンアメリカン航空機モデルや関連資料が展示されています。筆者も資料提供による展示協力しており、かつて日本と世界を結んだパンナムの姿を知る貴重な機会となっています。
米国では創業100周年を機に、パンナムの歴史を次世代へ伝える動きが広がっています。日本でも羽田の展示を一過性の企画で終わらせず、100周年を迎える2027年以降も継続、発展させていければと願っています。航空会社は消えても、その功績と記憶は残し続けることができるのです。


