ATRが9月7日にメディア向け説明会を開催しました。その中で、CEOのステファノ・ボルトリ氏は、「ATRは日本市場を重要なマーケットと捉え、ATRの2機種4カテゴリーの機体の納入増加に期待している」と述べました。また、「ATR機は100席以内クラスのリージョナルジェットに比べて40%の炭素排出量の削減が可能であり、今後の持続化可能な航空サービスに貢献できます」と言います。
4つのカテゴリーとは、30~50席クラスのATR42—600型と44~78席クラスの旅客機に加え、ATR72-600Fでは9トン、75M3が搭載できる貨物専用機とATR42—600Sは800mの滑走路で離着陸できるSTOL性能を持つ機体を言います。600Sは開発の最終段階であり、2023年に初飛行、2025年に納入の予定で進められています。
ATRの設立は1981年で、日本を含めて世界に5つの営業拠点と5つのトレーニングセンター、4つのカスタマーサービスセンター、4つのスペアパーツセンターを所有しています。
ATR42と72の2機種は、90席未満の航空機では世界で一番売れている機体であり、約1,800機を販売し、約1,600機を納入しています。運航会社は世界約100か国に200社以上のオペレーターを持っています。
コロナ禍において、地域の医療を支えるドクターの輸送や担架を使用した患者の輸送。離島へのワクチン輸送にも貢献し、人々の生活を支える重要なインフラとして機能しています。
今後、日本の市場では40機の導入需要があると言い、ANAウィングスのDHC-8-400やORC(オリエンタルエアブリッジ)のDHC-8-200などが候補です。また佐渡島へ就航を計画するトキエアもATR機を使用予定にしています。
ATRのカタログでは、短距離離着陸機の開発が謳われる中で、未舗装や横幅が14mの滑走路でも発着が可能(日本の多くの滑走路の3~4分の1)と記載されており、優秀な性能が明らかにされています。
競合は単一機種のデハビランドカナダDash-8-400であり、ターボプロップのリ-ジョナル機市場を二分する大きな勢力になっていきます。