新型コロナウイルスの影響によりオーストラリアからの国際路線を全面運休し、国内線を細々と運航継続していたのは同国2位の規模のバージン・オーストラリア。2000年に運航開始し、大手エアラインの一角にいます。
本日、4月21日付けで同社の自主管理がホームページで発表されました。自主管理(Voluntary
Administration)はオーストラリアの会社法では任意管理とも言われ、会社更生法手続きによる再生型手続きであり再建の道は残されます。
2018年の有償旅客キロ(RPK)で世界TOP100ランク20位のカンタス航空がオーストラリア首位で、53位(グループのTigerair Australiaの実績を含む)となるバージン・オーストラリアは同国2位になります。オーストラリアには他にTOP100に入るエアラインは無く、再生の道が閉ざされるとするとカンタス航空の独占市場となります。バージン・オーストラリアの規模は親となるバージン・アトランティック(同59位)や隣国ニュージーランド航空(57位)よりも大きいということでその影響の大きさがわかります。
リリースの中で、最高経営責任者のポールスクラは次のように述べています。「20年かけてオーストラリアで観光産業の構造の一部としての地位を獲得しました。10,000人を超える雇用をもたらし、さらに6,000人の間接雇用を生み出しています。41の目的地を持ち、1,000万人のロイヤリティプログラム会員を擁しオーストラリア経済に約110億ドルの貢献をしています。オーストラリアには2番目のエアラインが必要であり、運航を継続することでオーストラリア経済への重要な役割を継続していきます」。
昨秋、ブリスベンから羽田空港への日本線就航の権利を獲得した同社。今年の夏スケジュールから初の日本乗り入れで羽田空港へ就航予定でした。日本初就航で羽田就航は前例が無かっただけに、とても残念です。
経営再建が成功し、いつの日か日本の空に飛来してくれることを祈っています。