出発の時に手を振る整備士がいなくなる?

航空業界

ana b8S
技術の進歩で業務内容が変っていくのは必然です。



エアライン業務で過去に大きく変った点では、コックピット内で3人目の運航乗務員であったフライトエンジニアの仕事が無くなりました。

今では、エアラインパイロットは同時に二名のオペレーションが当たり前になっています。 

航空機の進歩で、整備の方法も変ろうとしています。

まずは整備の内容をおさらいします。航空機整備の業務は大きく2つあります。

機体整備と工場整備になります。

それぞれが2つの種別を持ち、機体整備は運航整備とハンガーでの点検整備からなります。又、工場整備はエンジン整備と装備品整備から構成されます。

この中で、運航整備はラインメンテナンスとも言いますが、この主業務であるエンルート整備点検が、一部変ることになりそうです。

航空機は、飛んでいる間に整備は出来ませんので、飛行ごとの整備は空港で行います。この部分の業務が必要に応じて行われようとしています。

AJAL B6S

今まで、飛行間にはもれなく整備士が機体に張り付いて点検し、航空機の出発まで見守っていましたが、今後は整備が必要になると、コックピットからのエーカースと言われるデータ通信システムで問題を知らされたライン整備士が航空機に向かうスタイルとなります。

全く問題の無い機体には整備士は不在となります。パイロットによる目視点検が無くなる訳ではありませんので、安全は担保される訳です。

ここで問題となるのは、航空機が出発する際に、コックピットと地上作業者がインターカムでやり取りするヘッドセットオペレーター業務が残ることです。整備士が行っていたこの業務を誰が行うかということになります。

これは、グランドハンドリングと言われる別の作業者が訓練を受けて行うようになります。

今後、整備士とグランドハンドリングの違うツナギを着た作業者が手を振って航空機を見送っていた光景から整備士がいなくなる場合があることになります。

只、この業務が主に国内線での出来事であって、整備規定でこの要件が満たされないETOPSの機体は、そのままエンルート整備が行われます。

朝の初便前と、夜の最終便が着いた後の夜間には従来どおり整備は行われますので、問題は無いとの認識です。 

一部のLCCでは、整備作業の簡略化で、もともとこのエンルート整備を行っていない空港があることも付け加えます。どうしても必要な場合は、整備士を送り込むことで代用しています。

整備規定自体は、大手もLCCも変りません。よって、これだけでLCCが手抜きをしていると考えるのは早計です。
ANA TRS
 

懐かしいANAのトライスターの画像には、更に一番左でRCさんと呼んでいたランプコーディネーターも見送りしている様子がわかります。

過去にはもっと多くの人が見送りをしていたのですね。

RCさんについては、改めて取り上げます。
 



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