
ユナイテッド航空が投資を発表し、最大200機の導入を示唆しています ⒸUnited Airlines
JetZero(ジェットゼロ)は、カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置く航空宇宙スタートアップで、革新的な「混合翼胴体(Blended Wing Body: BWB)」設計の旅客機を開発しています。この設計は、機体と翼を一体化することで、空力効率を大幅に向上させます。エンジンは、プラットアンドホイットニーが担当します。
本機は、最大250人の乗客を収容できる次世代旅客機で、従来の航空機と比較して燃料消費を最大50%削減することを目指しています。この高効率な設計により、航空業界の持続可能性向上に貢献します。
快適性と効率性を兼ね備えたキャビン設計
Z4のキャビンは、広々とした空間を提供し、乗客に「空のリビングルーム」のような快適な体験をもたらします。また、複数の通路や広い荷物収納スペースを備え、搭乗・降機の効率を高めます。
JetZeroのBWB設計は、既存の空港インフラと互換性があり、特別な設備変更を必要としません。また、この設計は旅客輸送だけでなく、貨物輸送や空中給油など、軍用機としての多用途性も備えています。新世代機で貨物輸送に言及する機体は多くは無く、JetZeroの汎用性の高さが期待できます。

軍の空中給油用途の設計も始まっています ⒸJetZero
業界との連携と将来展望
JetZeroは、ユナイテッド航空やアラスカ航空から投資を受け、デルタ航空と提携し、Z4の商業化を進めています。また、アメリカ空軍から2億3500万ドルの資金提供を受け、2027年までに実証機の初飛行を予定、2030年の商業運航開始を目指しています。

アラスカ航空も投資を発表しました ⒸJetZero
ユナイテッド航空との戦略的提携
中でも最新のニュースは、2025年4月24日にユナイテッド航空はJetZeroとの戦略的提携を発表し、最大200機のZ4型航空機を購入する意向を示したことです。この契約は、JetZeroが2027年までに実物大の実証機を完成させ、運用およびコスト基準を満たすことを条件としています。Z4は、ユナイテッド航空の老朽化したボーイング757および767機の代替機として位置づけられており、燃料消費を最大50%削減することで、持続可能な航空輸送の実現に寄与します。
これまでの新世代機は旅客輸送に特化したものが多く、貨物輸送ができたり、軍用型が提案されるなど多用途な利用で多くのエアラインのニーズにも応えられそうです。