Peach、関西初の複合訓練施設「MOMO TRAINING LAB(モモトレ)」を開設

ピーチアビエーション
客室モックアップの前で説明すす客室乗務員

客室モックアップの前で説明する客室乗務員

航空会社Peachは、関西で初となる複合訓練施設「MOMO TRAINING LAB(通称:モモトレ)」を関西空港第2ターミナル内に開設し、2025年7月31日に公開しました 。この施設は、航空機の運航を支える多様な職種の人材育成を目的としており、運航の安全性、顧客満足度を高めるサービスの品質向上、そして安定的な人材育成基盤の強化を目指しています 。

モックアップの内部には新旧実機シートが置かれています

最先端設備を導入し、実践的な訓練環境を構築

「モモトレ」は、総面積約751㎡を誇り、世界最新レベルの設備が導入されています 。この施設には、パイロット養成のためのエアバスA320型シリーズ機FTD(飛行訓練装置)や、客室乗務員が訓練に用いる実機から移設した客室モックアップ、ドアトレーナー、緊急脱出用スライドなどが完備されています。

また、空港カウンターも設置されており、地上係員の訓練も可能となっています 。さらに、座学を行うための教室が3室設けられています。教室名は育成への気持ちを込め芽が出るにちなんで「FUKINOTOH、TSUKUSHI、TAKENOKO」と命名されています。

運航乗務員向けのFTDは、主に副操縦士の訓練に使われるもので、一般的なOpen DisplayではなくCollimated Displayを採用しているため、より現実的な運航環境を再現し、質の高い教育・研修を実現します。

話を聞くと、動きのあるフルフライトシミュレーター(FFS)のモーション部分が無いだけのほぼ同じ規格になっているとのこと。公開日は、関西国際空港の離着陸を模擬で見せてくれました。

FTDの内部で模擬飛行前のパイロット

客室乗務員向けのモックアップ設備では、実機に近い環境での安全保安業務や緊急事態対応、機内サービスなどの実践的な模擬訓練が可能となり、安全とサービスの品質向上に繋がります 。内部には50席ほどが設けられており、旧型と薄い新型シートが混在して設置されています。

公開日には、シートと手荷物収納棚の火災、緊急着陸後の脱出、またスライドでは脱出の様子を模擬で見せてくれました。

これまで、ANAやスターフライヤー、北海道の専門学校のモックアップを借りて訓練していたものが自社で済むことになります。

左がモックアップで右がスライド

地上係員は、再現された空港カウンターで接客を想定した養成訓練を受けることができます。これらの設備により、航空機の実機に近い環境での柔軟かつ効率的な教育・訓練体制が構築できるとのことです 。

模擬旅客カウンターがあります

整備技術者育成も視野に、さらなる品質向上へ

Peachは、エンジニア(整備技術職)の国家資格取得に向けた訓練や試験が実施できる機能の追加も検討しています 。代表取締役CEOの大橋一成氏は、「モモトレ」の開設を「コロナ渦後2年経過し、採用も再開していることから悲願の自社施設である」と表現し、Peachのさらなる成長を支える基盤となると述べています 。

また、人材育成の強化とトータル品質向上の中心的な役割を担い、きめ細やかな訓練を通じて運航品質とサービス品質の向上に努め、安全運航を第一にお客様に最高の体験を提供していくと強調しています 。

CEO大橋一成さん就任後2年で初のメディア前での発言でした

CEOの言葉とPeachの将来

大橋CEOは、2年間メディア露出が無かったことに触れ、「このような機会が無かったことと、当初は業務の地固めを優先しました。これからはイベントも増やし積極的に㏚していきたい」と話しました。

Peachは現在、新千歳、成田、中部、関西、福岡、那覇の6つの空港を拠点として、36機の航空機を運航し、国内線25路線、国際線15路線に就航しています。

今後も「愛あるフライトを、すべての人に。」というビジョンのもと、安全を最優先に基本品質を追求し、より多くのお客様に愛される航空会社を目指していく方針です 。

 

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