JALCARGOは北米への新たな輸送ネットワークを始動させKALITTA航空とのコードシェアを開始

JAL
TFKビルから見たJALフレイター3機とKALITTA機の並び

TFKビルから見たJALフレイター3機とKALITTA機の並び

JALは、貨物専用機(フレイター)および旅客機の床下を活用した輸送力の強化に取り組んできましたが、このたび、アメリカのKALITTA航空とのコードシェア便定期運航の開始により、新たな貨物輸送ネットワーク体制が整いました。これにより、JALCARGOは北米への航空貨物輸送体制を大きく拡充し、より多様で安定した輸送サービスの提供を目指します。

成田空港で新体制の始動を公開

新体制の始動にあたり、JALは2025年5月11日(日)に成田空港北部貨物地区において報道関係者向けの取材会を開催しました。当日は、JALが運航するフレイター機3機およびKALITTA航空機が並ぶ様子の撮影のほか、事業戦略に関する説明、そしてコードシェア便の出発見送りの様子が公開されました。

JAL執行役員貨物本部長の木藤祐一郎氏

木藤祐一郎氏インタビュー

今回の新体制発表にあたり、日本航空株式会社 執行役員 貨物郵便本部長の木藤祐一郎氏は、次のように語っています。

「JALCARGOは2024年2月より、旅客機の貨物スペースに加えて自社貨物機ボーイング767-300ERを2機使用し、アジア域内を中心に国際航空輸送サービスを提供してきました。3機目はこの4月にラインに投入しています。欧州はカタール航空とのパートナーシップ締結で路線を広げ、今回のKALITTA航空とのコードシェア開始で米国向けに路線が広がり、当社の貨物ネットワークにとって画期的な一歩となります。

貨物事業の売り上げは2024年度で1,630億円あったわけですが、うち貨物機による収益は約15%でした。今期2025年度は1,890億円の売り上げで貨物機シェアを25%に上げていきます。

また、売り上げの3割を半導体製造装置、医薬品、危険品などの高付加価値の貨物で占める品目構成にしたい。その他、貨物予約や貨物上屋作業の自動化を推進し、お客様の多様な物流ニーズに対し、よりきめ細やかな対応を進めていきます」

KALITTA便見送り

木藤本部長は108トンの自動車部品やリチウム電池等を搭載したKALITTA航空(K4)551便アンカレッジ経由シカゴ行きのボーイング747-400F(機体番号N707CK)を社員25名とともに見送りました。

日本発は8割に達し、その他は中国発の次ぎ越し貨物です。コードシェアの搭載比率は非公開ですが、JAL搭載物量がメインを占めるといいます。

出発するKALITTA551便アンカレッジ経由シカゴ行き。

JAL独自の戦略

ANAの自社フレーター保有数8機に対し、中型貨物機3機のみのJALですが、売り上げと重量比率は8割近くに達しています。自社保有のリスクを回避し、他社を活用する戦略で、イベントリスクの多い国際貨物輸送分野で独自の道を進んでいきます。

成田空港を離陸するKALITTA機。

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