ボーイングCEOが投資家説明会で言及、生産は737 MAX月産52機、787月産10機を視野に安定最優先

ボーイング
パリエアショー会場のボーイング777Xと737Max10

パリエアショー会場のボーイング777Xと737Max10

ボーイングは2026年9月16日、モルガン・スタンレーの投資家説明会に出席し、ケリー・オルトバーグCEOが2機の民間航空機の生産状況と1機の機体認証について説明しました。737 MAXと787では生産量を引き上げる説明をした一方で、生産工程を安定させたうえで次の増産段階へ進む姿勢を鮮明にしています。

ボーイングのケリー・オルトバーグCEO ©Boeing

737 MAX、月産47機の安定化が最優先

737 MAXについてCEOは「現在、月産47機で安定しているわけではない」と説明しました。サプライチェーンについては、CFM製エンジンを含めて増産に対応できる状態にあるとする一方、現在の課題は主翼の生産工程にあると言います。

MAXの主翼はレントン工場で生産されていますが、想定していたほど工程改善が進まず、47機体制の安定化に時間を要しているとしています。次の目標となる月産52機へ移行するには、主翼生産の安定に加え、エバレット工場で立ち上げた新しい「ノースライン」の稼働が条件になります。まず同ラインで4機を製造して生産ラインとしての認証を進め、その後、本格的な増産に活用する計画です。

パリエアショーでフライトディスプレイを行うボーイング777X

737 MAX 10についても認証作業は最終段階にあります。飛行試験など実質的な試験作業は完了し、FAAへの文書提出・審査が中心となっています。すでに生産も始まっており、オルトバーグCEOによれば、737の受注残のおよそ30%をMAX 10が占めているとのこと。エバレットはワイドボディ機の生産工場であり、機体の長いMAX 10を生産しやすい環境だと言います。

エアショーでフライトディスプレイするボーイング737Max10

787は月産8機を安定化、将来は14機体制へ

787では現在、月産8機の生産体制が安定してきました。一方、次の月産10機への増産にはエンジン供給が課題となっています。2026年春にはエンジン納入の遅れから、一時的に生産ラインを止めて調整する場面もありました。

ボーイングはGEと供給改善を進めており、月産10機への移行は年末を見込んでいます。また長期的には月産14機まで引き上げる計画で、サウスカロライナ州チャールストンでは第2組立施設の建設も進行中です。完成は2027年を予定しており、787増産を支える重要な設備となります。

パリエアショーで地上展示するリヤド航空のボーイング787-9

777Xは2027年の引き渡し開始を維持

777Xについては認証飛行試験を継続しています。GE9Xエンジンのシール関連問題に伴いETOPS試験の開始が遅れており、一部試験が2027年にずれ込む可能性を示唆しました。それでもボーイングは、現時点では2027年中の顧客への引き渡しを開始する計画を維持しています。

2021年ドバイエアショーでフライトドスプレイを実施するボーイング777X

今回の説明から見えてくるのは、ボーイングが生産機数を急速に上げることだけを目標にしていない点です。737 MAXでは月産47機の安定、787ではエンジン供給の改善を確認してから月産10機の増産へ進みます。相次ぐ品質問題や生産混乱を経験したボーイングにとって、今後は数字としての生産レート以上に、その「生産量を継続して維持できる工程を構築できるか」が、本格的な復調を判断する重要なポイントになりそうです。

パリエアショー会場に姿を現したボーイング777X

 

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