それも、急な発表となると、心の準備が出来ないというか。
キャセイパシフィック航空ジャンボの退役が10月1日の羽田発と発表されたのは、8月5日のこと。2ヶ月近くの心の余裕があります。
それに比べてKLMったら、発表は1週間前の8月29日。
この週末の9月3日にラスト・フライトだなんて、平静な気持ちになるのは時間が短か過ぎる。
搭乗の想い出がフラッシュバックでよみがえります。
1981年のB747-200Bでは、当時の北回り便でアムステルダムへ。
そして、大西洋を越えてアトランタまで行きました。
1991年は湾岸戦争勃発の時で、ジャンボの機内は30名ほどのお客さんしかいませんでした。
B747-400への搭乗は、1997年。
PH-BFL機が、アムステルダムから関西空港へ運んでくれました。
日本線の退役機はB747-400Combiと呼ばれる貨客混載機です。
ジャンボの5つあるコンパートメントの一番後ろに貨物室があります。
ここに7枚のパレット(もしくはコンテナ)が搭載できます。
この機体が特殊なのです。
何せ、後部に貨物室があるので重心が後ろに振れるのを防がなくてはなりません。メインデッキの貨物室は高さ116インチ(約195㎝)の貨物が積めるのに、軽めに積み付けなくてはならないという弱点があります。
高さ64インチ(約163㎝)の下部貨物室に積むパレット(コンテナ)を重くするという矛盾と常に戦います。それでも、45トンの貨物を搭載できる実力は素晴らしいものがあります。
空港では、しりもちを防ぐのに、尾部にテイルスタンションと言う突っかえ棒を装着しなくてはなりません。
色々やっかいではあるものの、愛すべきジャンボです。
今回は、静かに見送りたいと思っています。