日本のエアラインの成功物語自体が珍しいことに加えて、同時期に、日本一小さいと言われるエアラインの復活の書籍が二冊発売となるのは珍しいことです。
既にこのブログでもご紹介した航空ジャーナリスト鳥海高太朗さんの書いた「天草エアラインの奇跡」が先に出され、時期を同じくしてその復活の立役者である前社長の奥島透さんが書いた「日本一小さな航空会社の大きな奇跡の物語」が出版されました。
会社の様子を第三者の目で少し引いた形で観察した鳥海さんの本。
自分が指揮を取っているかのような充実感と爽快感をもたらしてくれる、立て直した本人である奥島さんの本。
どちらも好著ですので、お勧めです。
航空行政は国土交通省の複雑な認可を必要とする特殊さがあり、地方の公共交通機関として自治体の補助を得て運営しているので、社長の一存だけではどうしようも無い部分も多く語られます。
それを考えても、前社長の人心掌握の見事さとアイデアを引き出す力は読んでいて痛快です。
奥島前社長にお会いして天草エアラインのファンになりました
前社長の経験はJALで培われたものと謙虚に語られますが、規模も営業内容も似て非なる会社ですので、それをうまく当てはめていった手腕は素晴らしいと思います。
両著の題名は共通の「奇跡」とありますが、社長が社員のやる気を引き出した結果であり、当然の結末であると思います。
新機材を入れて黒字化の目処が立ったとはいえ、それを継続していくのは大変な労力だと思います。
成功物語を一過性のものにしないように、奥島社長の後継者である吉村社長の手腕にも期待したいと思います。
乗っていない人間が語るには説得力が弱いので、搭乗の機会を狙いたいと思っています。
熊本は、震災で被害を受けました。
早い復興を東京から祈るとともに、地元の天草エアラインに被害は無く、臨時便で復興に一役買っていることが頼もしく思えます。