【提言】空港内の安全性向上を目指してできること JALと海保機の接触事故を受けて

JAL
海保機と接触したエアバスA350-900(JA13XJ)の過去の羽田空港での様子

海保機と接触したエアバスA350-900(JA13XJ)の過去の羽田空港での様子

1月2日に発生した羽田空港でのJAL機と海上保安庁機の接触による海保隊員5名の死亡に対し、ご冥福をお祈りするとともに、怪我をされた方々の回復を願う。これからは、両機全損の大事故から得られる知見を活かし、再発防止をすることは、必須だろう。

海上保安庁のMA722型機(同庁HPより)

この対策を国土交通省は既に知っている。2023年1月に改訂した資料「日本における空港の技術紹介」にて、スマートエアポートやエコエアポートに加え、安全面の管制技術も紹介されているのだ。

羽田空港のJALのエアバスA350-900型機

JRC日本無線株式会社の光接続型マルチラテレーションシステム「J-AERO」というものがあり、航空機の既存システムを使いながら空港での地上設備の充実で、より高度な航空機の位置確認ができると紹介している。

資料を見ると、具体的には「空港面の航空機の位置を監視する二次レーダシステム。夜間・悪天候時など、管制塔からの視界が悪い状況でも航空機の位置を正確に把握することができ、安全かつ効率的な航空管制を行う事が可能」と明記されている。

そもそも1本の滑走路に2機の航空機が同時に存在してはいけないものがそうなってしまった非常に原始的な事象が原因で起こっている。日本の航空管制技術は、C滑走路3360m×60mの中の航空機の輻輳さえ感知できないのだ。

羽田空港のエアバスA350-900型機

今後は、このようなシステムを使い空路上の管制だけでなく、精度の高い空港交通管制が求められる。それには、地上滑走中のコックピット内でのパイロットの作業負担を軽減するなどの新たなマネージメントも必要となるだろう。

今回の事故は、どのエアラインでも起こる可能性はあった。その中で、全員の乗客を脱出させたJALの乗務員の行動は賞賛されるものであり、その記録を残し、全航空会社が閲覧できるようにすることが望ましい。

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