荷主の工場で作られた貨物がどうやって航空機で運ばれるか順を追って説明します。
工場をトラックで出発した輸出貨物が、フォワーダーの指定上屋にトラックで運ばれます。
フォワーダーの通関部門が、NACCS(ナックス)と呼ばれる輸出入電子通関システムを介して輸出申告をします。
同時に、フォワーダーの上屋では、ULDと呼ばれる航空機搭載用具に、貨物を積みつけていきます。昨今の多くの場合は、パレットという板状の搭載用具を使います。
無駄を省いた効率的な3次元の積み付けを手作業で行うので、熟練の技が必要です。
内径がおよそ3×2mの大きさのパレットに、高さ64インチ(163cm)で旅客機の床下、96インチ(244cm)と118インチ(300cm)でフレーターのメインデッキ搭載用にと貨物を組んでいきます。
最近ではコンテナでの輸送が減っています。製品を輸送していた時代には、経由地での荷抜き(盗難)を防ぐ為に積極的に使っていましたが、自重が重いのであまり使われなくなりました。部品は、完成品の輸送に比べて換金しづらいので、荷抜きは少ないのです。
パレットに積み上げた貨物が荷崩れしないように、また雨などの濡損防止にビニールを被せます。また、貨物全体を覆うようにネットと呼ばれる紐を掛けて固定します。
航空機へ搭載可能な状態になると、重量を測って同時進行で作成された貨物運送状と共に、航空会社の上屋へ運ばれます。
この完成した状態を「レディフォーキャリッジ」と言って、輸送可能な状態としてエアラインに引き渡す時の条件となります。
エアラインでも、搭載重量を検量し、航空貨物運送状の重量と差異が無いか確認します。
次回は、空港で受託後の貨物の動きを追います。