新型コロナウイルスは、航空業界へ直接的なダメージを与えています。過去の9.11やリーマンショックを超えるイベントリスクとなった今回のパンデミック。ここにきて、世界の航空会社で組織する3つの団体が、各国政府に要請文を提出したと発表しました。
最初は12日に「IATA=国際航空運送協会」が提出しました。ウイルス大流行で航空業界は11兆円の影響を受けるとしています。世界の航空会社で270万人の雇用が脅かされており、1.融資限度額の引き上げ 2.インフラコストの低減 3.減税を要求しました。
次に、16日には世界の主要エアライン60社が加入する世界3大航空連合(ワンワールド・スカイチーム・スターアライアンス)が連名で発表しました。各国政府に対して、与えられた航空権益の80%を行使しないと権利を失うルールのUse it or Lose it(U/Lルール)の緩和と着陸料の減免を求めたものです。
また、同日アメリカの主要エアライン10社で構成する組織「Airlines for America」 は、アメリカ政府に対して、1.補助金 2.貸付 3.減税併せて5兆円規模の要請をしました。
それぞれの要求内容は似たものになっていますので、航空会社の厳しい経営環境がダイレクトに伝わってくるようです。特に、今回異色のアライアンスを超えた声明の発表。この先、個人的には「One Star Team」などの名称で動くのもありかと思ってしまいました。