スカイマークが民事再生法の適用を申請しました。
いつもはお気楽航空ブログなのですが、同社と関わった事のある者として伝えたい事が出て来ましたので、再度取り上げてみました。
スカイマークの株主総会に参加した方に聞きました。
エアバスA380を購入する事を決断した後のことです。
ある個人株主が西久保社長(当時)に聞きました。「エアバスA380導入時に株主への便宜供与がありますか」・・・言い方は間違っているかも知れませんが、大筋こんな内容です。
それに対し、西久保社長は「株主にはエアバスA380の試乗会を開催してもいい」と発言があったとのことです。 この言葉に、同社へ投資を賭けた人も多かったと思います。ある意味、スカイマークは夢を与えていた訳ですから。
自身でも成田⇔旭川を就航記念運賃の片道980円で利用したことがあります。季節外れだからこそ、雪に埋もれた北海道の大自然をいい季節とは別に深く味わう事ができました。
スカイマークは、間違いなく日本の空を変えた会社です。
人と人との繋がりを、格安運賃というカテゴリーで解りやすく後押ししてくれました。
利用者の行動様式を大きく広げた功績は大きいのではないでしょうか。
誰もが、スカイマークを利用した、又は利用したいと思ったはずです。
もっと、応援していかないとベンチャーは育たない。
ここで改めて、スカイマーク誕生の1990年代後半に目を向けることと、2011年にボーイング737のみの運航で至上最高益を出した頃に戻る事ですよね。
後者の選択は、エアバスA330を手放す事を書いた本ブログにあります。
(https://avianwing.com/archives/2014-12-25.html)
短期間での経営判断は英断だと思います。
スカイマークの誕生は、消費者の声から生まれたと言っても過言ではありません。戦後、政府に守られた航空政策は、規制の名のもとに、一般消費者にはある意味利用しにくい部分もあったように思います。そこに風穴を開けた功績があります。
誰も参入しなかったその規制の中に果敢に乗り込んだスカイマークの社名の由来を再考する時期だと思います。
スカイマークとは「公正な空への出発点という意味があり、規則に縛られた日本の航空業界を利用者の立場で変革したいという思いと、その変革の出発点である事を表している」と説明されています。
それを踏まえて同社は「誰もが利用したい時に気軽に使える公共交通機関」を目指したでしょうし、それが現在の経営理念に変わり、言い方は違うものの「過去をなぞっても新しいものは生まれません。未来に届けられる会社を創りましょう」と謳っています。目指すところは利用者目線の生き残る会社像です。(http://www.skymark.co.jp/ja/company/philosophy.html)
民事再生法を申請した翌日に、スカイマークは記者会見を行っています。
この中の井手会長の言葉で、「サービスコンセプトを出した事で尖った航空会社というイメージを持たれている。これを踏まえて、安全でサービスを追求するブランドイメージを明確に出した航空会社に変わらなければいけない」との発言がありました。 端的に、過去を振り返り、今後のあるべき姿を語っています。
エアバスA380問題が無くても、破綻の可能性があったとのことで、再生への道筋は平坦では無いと思います。それでも、人気のテレビ番組の「ガイアの夜明け」っぽく言うと、この言葉の中に再生への道筋が示されているように思います。
過去に社長も経験された航空業界に詳しい井手会長とまさに今は適任の財務畑に強い有森新社長の二人三脚で危機を乗り越えて欲しいと思います。
コメント
スカイマーク、1999年6月、1号機のJA767Aのシグナスクラスで就航間もない福岡から伊丹迄初搭乗した頃が懐かしいですね! メキシコ人機長のコマンドで、確かサンドイッチの機内サービスが有りました。その後は737で帰省時など今は無き成田〜神戸など家族で搭乗、男性チーフに機内で家族皆で写真を撮ってもらい、「家族とはいいものですね〜! 」とのコメントがログに記載されていたのが印象的でした。LCC社利用が増えてしまいましたが、スカイの良さも前面に出して再生を見守りたいと思います! 結局、A380にも、A330にも搭乗出来ず無念ですが、保有する737全機完乗に夢を繋ぎます!?
ポルコ・ロッソ様
コメントありがとうございます。 初期の頃にご利用されていたのですね。 今思えば、ぎゅううぎゅうの767にシグナスクラスを搭載するなどコンセプトが解り辛かったかも知れません。
そんな色々な場面をご存じの貴殿のコメントが嬉しかったです。
737完乗行きますか。目標あったほうが楽しいですもんね。