ANAとユナイテッド航空、運航管理の違いを「司令塔」で比較してみた

ユナイテッド航空
この写真のユナイテッド航空の機体だけでも13機あります

この写真のユナイテッド航空の機体だけでも13機あります

航空会社の航空機は、運航乗務員であるパイロットと客室乗務員だけで飛んでいるわけではありません。機体の運航状況を監視し、天候や空港の混雑、整備状況、旅客の流れ、貨物の動きなど、さまざまな情報を集めて判断する「司令塔」があります。

今回、ユナイテッド航空の運航管理施設を取材し、改めて感じたのが、この部署の重要性です。

ユナイテッド航空のSOC内部

ユナイテッド航空にあるSOC表記

ANAとユナイテッド航空では「規模」が大きく違う

ANAも運航管理を高度なシステムによって支えています。近年はデジタル技術の進歩によって、運航に必要な情報をリアルタイムで共有し、さまざまな部門が連携して航空機を飛ばす体制が整えられています。

SOCに向かう廊下にあるイラストが楽しい

一方、ユナイテッド航空は米国を中心に世界各地へ巨大なネットワークを展開しています。運航する航空機の数も路線網も非常に大きく、さらに米国国内では大規模なハブ空港を結ぶ運航が展開されています。

エアラインの輸送力を数値で表すと、ユナイテッド航空の有償旅客キロ(RPK)は2024年段階でANAの4.8倍もあります。それを支える組織として運航管理に求められるのは、単に一機一機の航空機を監視することだけではありません。

DRT(デンバーランプタワー)で笑顔を見せるUA日本人社員のNさん(左)

空港と航空路で構成されるネットワーク全体を一つのシステムとして捉え、どこかで発生した遅延や欠航などの影響を、他の便や空港へどのように波及させないかという判断も重要になります。

ここに、ANAとユナイテッド航空の運航管理を比較する面白さがあります。ANAは本社集中のOCC(オペレーションコントロールセンター)が一元管理しています。

UA DEN SOCの入り口

ユナイテッド航空は本社のNOC(ネットワークオペレーションセンター)とハブ空港のSOC(ステーションオペレーションセンター)が相互に補完し合いながら運用しています。更にSOCはDRT(デンバーランプタワー)を運用し、システムと目視で航空機の動きを管理します。

DRTの内部

「優劣」ではなく、ネットワークの違いを見る

航空会社の運航管理を比較するときに注意したいのが、単純な優劣では判断できないことです。国内線を中心とする航空会社と、世界各地にネットワークを持つ航空会社では、必要とされる運航管理の仕組みも異なるからです。

例えば、一つの空港で天候による遅延が発生した場合、その影響がどこまで広がるのかは、航空会社のネットワークによって大きく変わります。国際線、国内線、乗り継ぎ便、出発、到着などが複雑に組み合わされたネットワークでは、現場から集まる情報を瞬時に共有し、各部門が同じ状況認識を持つことが重要になります。

駐機場のボーイング757‐200

ユナイテッド航空のデンバーの現場を取材して印象的だったのも、こうした情報共有と部門間の連携でした。航空会社の「司令塔」は、航空機が安全に、そしてできるだけ定刻通りに飛び続けるためには欠かせない存在です。

ランプタワーからの眺め

航空業界を見るとき、機材や客室、サービスだけではなく、「その航空会社がどうやって何百、何千というフライトを動かしているのか」に注目すると、また違った航空会社の姿が見えてくるのです。

筆者の参考記事 → https://www.sbbit.jp/article/st/186300

 

タイトルとURLをコピーしました