2018年10月、翻訳版「フライング ハイ」が出版され、著者トニー・フェルナンデス氏の来日に合わせてトークショーが開かれました。
当日は、桜の開花が宣言されたものの底冷えのする渋谷。それに比べ開催地のビルの中は、熱気に包まれていました。無料のトークショーでドリンクと軽食が用意されるイベント。なかなか大盤振る舞いです。会場で、出版本の即売会があり、購入者にはサイン会の参加権があります。
客室乗務員のダンスパフォーマンスで進行がスタート。
航空アナリスト鳥海高太朗氏がモデレーターで、トニー・フェルナンデスの生い立ちが紹介されたあと、楽天の三木谷会長兼社長のビデオメッセージが流れます。本人が登場すると、軽快なテンポでトークが進みます。本人にまつわるキーワードとなるエアラインはあとからのもの。音楽との関りが最初です。ヴァージンコミュニケーションズへの就職のきっかけはその後のトニーの人生を左右するものとわかり、生き方の原点が示されます。その後は、サッカーやF1などスポーツへの投資にも多く関わります。
日本の航空券は高いし、成田空港から都心までのタクシー代でクアラルンプールに行ける。是非、乗ってみてほしいと訴えます。ご自身は、タクシーなど乗ったことはなく、もっぱらSUICA利用だとカードを見せます。六本木に住居を構えており、月に一回は来日していると答えていました。
予定にない進行もありました。会場で通訳を行う女性スタッフ二人を壇上に上げ、仕事をねぎらったうえでご主人がいるか(それも一人それとも二人?と質問)と聞き、ペアの無償航空券の提供をしたり、赤いものを身に着けている人を呼び独特の方法で航空券をプレゼントします。5組がファイナリスト。会場の拍手で決めるのですが、全員の名前を憶えて呼びかけているのが素晴らしい。最終的には、ホノルルに行きたい奥様の意見が通った夫婦に決まりました。
終始和やかな進行は、トニーの人柄です。バニラは溶けてピーチがありますが、エアアジアに乗ってくださいと笑いを取る場面も。1時間近くも進行が押したイベントは最後に参加者全員の記念撮影で終了です。100人近くが並んだサイン会は、いつ終わったのでしょうか。熱気は最後まで続いていました。
著者:トニー・フェルナンデス
出版社:パンローリング
定価:1600円+税
ソフトカバー、308ページ