
エキシビションセンターにも管制塔があり、A350-1000が雄姿を見せました
アジア最大級の航空見本市であるシンガポールエアショーが2月3日から8日の日程でチャンギ国際空港隣接のエキシビションセンターで開催されました。今回のショーでは、各国の最新鋭旅客機から迫力ある軍用機のデモンストレーション、さらにはビジネスジェットまでが一堂に会し、航空業界の現在地を象徴する活気あるイベントとなりました。

スターラックス航空エアバスA350-1000(右)、エアニューギニのA220-300(中)、フンヌエアのエンブラエルE195-E2(左)
多彩な顔ぶれが揃った地上展示機
今回の37機ある地上展示における注目は、旅客機のラインナップです。スターラックス航空のエアバスA350-1000や、エアニューギニのA220-300、さらにフンヌ・エアのエンブラエルE195-E2といった各社の主力機が勢揃いしました。ボーイングは室内展示ブースだけだったのが印象に残ります。

エアニューギニA220-300の前でニューギニアの舞踏が披露されました
また、中国が国家プロジェクトとして開発したCOMACはC919(メーカー所有機)と、トランスヌサ航空のC909も展示され、機内視察を通じてその完成度を確認できたことは大きな収穫です。これに加え、ビジネスジェットメーカーからボンバルディア・グローバル7500、ピラタスPC-24、ダッソー・ファルコン6Xといった高級機の機内も公開され、その居住性の高さを体験できました。

世界最速のボンバルディア グローバル7500
空を彩る華麗な飛行展示とアクロバット
飛行展示では、民間機と軍用機がそれぞれの魅力を披露しました。民間部門ではエアバスのA350-1000とCOMACのC919の両メーカー所属機が力強いフライトを見せ、次世代旅客機の高い性能をアピールしました。ボーイング777Xのフライトが無かったのが悔やまれます。
一方、軍用機のパフォーマンスは観客を圧倒する内容でした。地元シンガポール空軍は、F16戦闘機とAH-64Dアパッチ・ロングボウによる、固定翼機と回転翼機の息の合った競演を披露。

このようなショットは珍しいです
アクロバット飛行では、中国人民解放軍の「八一飛行隊」が、青、赤、黄の鮮やかなスモークをたなびかせ、緻密なフォーメーションで空を彩りました。さらに、オーストラリア空軍のF35による迫力あるフライトが披露され、最新鋭ステルス戦闘機の圧倒的な機動性に会場が沸きました。

中国人民解放軍第八十一飛行隊の演技
業界の動向と今後の展望
華やかな展示の一方で、航空機の新規発注セレモニーについては、タイガーエア台湾がエアバスA321neoを4機追加発注する発表に留まりました。大規模な受注合戦こそ控えめではあったものの、実機の展示を通じた各社の技術アピールは非常に濃厚なものでした。

タイガーエア台湾のA321neo発注の様子(左がタイガーエア台湾の代表)©Airbus
日本の展示は、防衛装備庁が民間14社とともにJapanブースを出し、ドローン技術などを紹介していました。あいち・なごやエアロスペースコンソーシアムも昨今のエアショーでは常連です。
今回の視察では、アジア市場における中国製機体の台頭や、各リージョナル機の需要の高さが改めて浮き彫りとなりました。最新鋭機の快適性と、軍用機の高度な技術力が交差するシンガポールエアショーは、今後の航空産業の動向を占う上で、極めて重要なマイルストーンとなったと言えます。

