デルタ航空の客室乗務員訓練所はアトランタ空港同社ワールドヘッドクォーターの中にあります。
最初に向かったのは、ドアトレーナーのある部屋です。
乗務員訓練の座学と同時に進行する、実地訓練の最初の導入部分です。
デルタ航空は、導入機材数も多いので、これら全てを覚えるのは大変です。
今では、18機種で786機にもなりますし、同系列を加味しても9種類を数えますので、ドアの種類も膨大になります。
この部屋は、自習もできる造りになっており、実際仲間と共にマンツーマンで手順を確認する人の姿を目撃しました。胴体が丸いので、モックアップのドアも【 のような形で作られているのですが、それが整然と数多く並ぶ姿は壮観です。
次の施設に向かう前に、建物廊下部分に設けられたピンクリボンのコーナーを案内して貰いました。この部分の名称をピンクコネクターと呼んでいます。 デルタ航空の多くのCSR活動の一つで、乳がん撲滅を支援しています。ボーイング767-400をピンクに塗装した機体は有名ですが、社内でも啓蒙でこのようなコーナーを作っているのですね。
次は、機体モックアップ室です。実機のサイズで機内ではシートが装着されています。保安訓練の手順を確認するのが主な利用方法だそうです。全部で5機種用意されています。
別の部屋では、機体が油圧のモーション軸で支えられ、ドアからスライドシートが展開している場面が再現されていました。脱出訓練の専用訓練室です。
実際のエマージェンシーの様子を再現して貰いました。そのまま非常脱出訓練に移行します。
インストラクターの誘導で模擬訓練の開始です。 機内に入ってシートベルトを締めて着席します。モーションが動いて、衝撃のあるラフな着陸が再現されます。ドアに設置されたモニターで外を炎で覆っているのが再現されています。機体は傾いています。機外脱出に指示がでました。
荷物を持たないで、ドアへ急ぎます。ドアサイドのインストラクターがGOの指示を出すと、手を前方に突き出して少しの勢いを付けて飛び降ります。
下では、グループ参加者のヘルパーが手を貸してくれました。全員無事に脱出できました。
プールとモックアップのある部屋が最後の見学場所でした。
スライドラフトは展開しませんでしたが、訓練の様子の説明がありました。
当日は、無人のロボットが、水の入ったプールの底を自動運転で掃除している場面に出くわしました。いつでも清潔なプールで訓練できるようになっているようです。
建物の外観では訓練所だとは解らないのですが、一歩入ると各種緊急事態が再現される4階建ての大きな訓練施設の一端を垣間見て、改めて保安の重要性を認識させられた二時間でした。
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