モヒカントライスターへの郷愁

昔の出来事


ana L1011

3発旅客機が好きな人は多いようです。

エンジンはバランス上複数が多い中、敢えて3発にしてしまうデザインを好ましく思います。

双発機が主流で、3発機が新規に開発される可能性は低いので、郷愁という意味でもファンはいます。

トライスターは第二エンジンの空気取り入れ口からの後方へ延びるダクトの造る曲線が実に美しい。

ロッキード社が伊丹空港へデモフライトで飛来させた時に見ることが出来たのも好きになるきっかけを与えてくれました。

ローンチカスタマーのイースタン航空のカラーリングをまとっていました。

オーダーしたエアラインのロゴマークを機体に付けており、デルタ航空やTWAの発注がわかりました。

夜間に見た機体は、他に目に入るものも少なく優美に思えます。

 L1011 demo

ANAでのデビューは1974年。初めてのワイドボディー機として力を入れて宣伝していました。客室乗務員の制服がトライスタールックと呼ばれるものに変わり、当時のフラッグシップ機のデビューを感じさせました。

トライスター1号機JA8501の機首をバックにパイロットと客室乗務員が颯爽と歩くポスター、絵葉書に時代の先端を感じたものです。

モヒカン塗装の頭のラインがかなり幅をもって描かれており、前方から見ると愛らしい雰囲気になっていました。

当初より幹線に就航しており、1979年の時刻表を見ると、羽田⇔伊丹間のフライトは全便がトライスターでした。

床下にギャレーを設置したことも有名で、リフトと呼ばれるエレベーターで昇降できるシステムは、未来の航空機を思わせるものでした。

一人の乗務員の乗降も可能で、手元のスイッチで動くのですが、見せて頂いた時に、両手で二つのスイッチを同時に押さないと稼動しないといった誤作動防止装置が付いていたのも感心して見たものです。

ワイドボディー機にも関わらず、中央席乗客の上部ストウェージが無く、窓側座席に付く収納に集中して大変だったと聞きました。天井は高くて、いいのですが。

ロールスロイスのエンジンは、地上では共鳴するようなうなりを発生する独特のサウンドが、耳に心地よく、空港へ行ってもすぐその存在が解りました。

エンジン設計上、タービンブレードの熱膨張の計算に余裕を持ちすぎて、出力の高い回転ではうなりは無いものの、低速アイドリングの時には隙間が発生し共鳴につながったとのことを後に聞きました。

伊丹⇔羽田間などで、何度かフライトして、客室後方のこじんまりした空間がお気に入りになりました。

スーパーシートが設置されており、前方の赤い座席は憧れの存在でした。

若い身には、一度も腰を下ろした事が無かったのが、今となっては残念です。

ana L1011 hnd

羽田空港に駐機するトライスターのL1(左舷最前方)ドアに装着されたタラップの奥に赤いスーパーシートが垣間見え、心躍らせた事を記憶しています。

ロッキード社の旅客機が無い今の時代に思い起こすには懐かしく、いいところばかりが記憶に残ります。

 

コメント

  1. あびあんうぃんぐ より:

    貴殿のコメントはいつも凄過ぎます。
    参考になります、ありがとう。
    カジノの上得意になれば、送迎してくれるんですかねえ。今後共よろしくお願い申し上げます。

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