ANAはボーイング787-9国際線に新ビジネスクラスシート「THE Room FX」を導入し、快適性を追求

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パリエアショーのサフランブースで行われたANA新ビジネスクラスシート発表

パリエアショーのサフランブースで行われたANA新ビジネスクラスシート発表 ©ANA

ANAは、2026年度以降、中型機ボーイング787-9の長距離国際線に、最新のドア付き個室型ビジネスクラスシート「THE Room FX」を順次導入すると発表しました 。これにより、約10年ぶりに中型機のビジネスクラスシートが刷新されます 。

ANA、サフラン、アキュメン関係者フォトセッション

「THE Room FX」で提供される最高クラスの快適性

「THE Room FX」は、大型機ボーイング777-300ERに導入されている「THE Room」と同様のシームレスな顧客体験を提供し、中型機における同クラスのシートとしては世界トップクラスの快適性を実現しています 。

前後向きで効率よく配置 ©ANA

この新シートは、ANAがSafran Seats社およびAcumen Design Associate社と協力して7年かけて開発したもので、「Future Experience」を意味する「FX」が名称に含まれています 。椅子、ソファ、ベッドの3つのスタイルを自由に選択できるシンプルなメカニズムが特徴で、大型のサイドテーブルと快適なベッドスペースを備え、仕事からリラックスまで、お客様が自分らしい過ごし方を創造できる「未来の顧客体験」を提供します 。

発表の場所はサフランブース

具体的な特徴としては、以下が挙げられます:

  • 高い居住性: 個室ドアと壁の薄型化、リクライニング機能を省いた背もたれに曲線ラインを採用したシートを互い違いに配置することで空間を再構築し、ボーイング787でも大型機並みの空間体験と世界トップクラスの居住性を実現しています。
  • 機能的なシート: 現行シートよりも横幅が広がり、背もたれをあらかじめリクライニングさせたプリリクライニング方式を採用することで、リビングのソファのように自由な姿勢で過ごせます。

また、レッグレストを水平にすることでソファからベッドへの移行も可能です。モニターは現行比1.4倍の24インチHDモニターとなり、USB Type-C充電、ワイヤレス充電、AC電源、Bluetoothオーディオ接続、2箇所の小物入れなど、機能面も大幅に向上しています 。

背もたれ側から見た個室内

  • 環境への配慮: 個室ドアや背もたれ、座席間のディバイダーの薄型化により、座席の軽量化を実現し、現行のボーイング787-9ビジネスクラスシートと同水準の重量に抑えられています。マットレス部分はこだわり、クッションは従来の1.5倍で快適度が向上しています。

    クッションの厚みわかりますよね ©ANA

777X導入までの国際線戦略の中心となるビジネスクラス

ANAは、2026年以降、長距離国際線の主要路線において、既存の「THE Room」に加えて「THE Room FX」の個室型シートを順次導入することで、最上級のくつろぎ空間を提供していく方針です 。

リビングでくつろぐようにがコンセプト ©ANA

この戦略は、新型フラッグシップ機であるボーイング777Xの導入までの間、国際線のビジネス需要に重点を置き、ビジネスクラスの快適性を中心とした顧客体験の向上を図るものと考えられます。

航空系ユーチューバーのサムチュイ氏も体験

中型機である787-9においても大型機並みの居住性を実現する「THE Room FX」の導入は、路線を問わず一貫した高品質なサービスを提供することで、競争力強化に繋がります。

サフランの女性社員 二人並んで座れそうです

 

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