
ユナイテッド・リラックス・ローの様子 ©United Airlines
ユナイテッド航空は3月25日に、長距離国際線のエコノミークラスにおいて、3席を平らなソファ状にできる新サービス「ユナイテッド・リラックス・ロー(United Relax Row)」の導入を発表しました。このサービスは、2027年から順次運用が開始される予定で、北米の航空会社としては初の試みとなります。
この「カウチシート」というコンセプトは、ビジネスクラスほどの予算はないものの、快適な睡眠環境を求める層にとって非常に合理的な選択肢になると思われます。
エコノミー3席をベッドとして活用する新発想
「ユナイテッド・リラックス・ロー」は、エコノミークラスの3つの座席を使用し、足元のレッグレストを90度跳ね上げることで、横になれるフラットなスペースを作り出すものです。主にボーイング777と787ドリームライナーの両広胴機に設置され、2030年までに200機以上の機体で展開される計画です。
このサービスを利用する乗客には、専用のマットレスパッド、厚手のブランケット、2つの枕が提供されます。さらに、子供連れの家族には、ぬいぐるみやキッズトラベルキットも用意されるなど、ファミリー層の需要を強く意識した内容となっています。利用料金は、3席分を確保する必要があるため通常のエコノミーよりは高くなりますが、プレミアムエコノミーよりも安価な価格帯に設定される見込みです。

ユナイテッド航空のボーイング787
ニュージーランド航空とANAに続く第3の主要プレイヤー
現在、現役で同様のカウチ型サービスを恒常的に提供しているのは、ニュージーランド航空の「スカイカウチ(Skycouch)」と、ANAハワイ線のA380で提供される「ANAカウチー(ANA COUCHii)」の2社が代表的です。ユナイテッド航空は、この先駆的な2社に続く形となります。
カウチシートの元祖は、2010年に導入されたニュージーランド航空です。同社はこのデザインの特許を保有しており、ユナイテッド航空も今回の導入にあたって同社とのスターアライアンスとしてのパートナーシップを通じてその技術を活用しています。また、ANAは2019年からホノルル線に投入しているエアバスA380「FLYING HONU」において、日本の航空会社として唯一このカウチシートを採用しました。
長距離路線の新しいスタンダードへ
これまでカウチサービスは、オセアニアや日本、一部の欧州路線など、特定の地域や路線に限定されてきました。しかし、世界最大級のネットワークを持つ米大手のユナイテッド航空が、200機という大規模なフリートにこのサービスを導入することは、航空業界全体にとって大きな転換点となる可能性があります。
長時間のフライトにおいて、「横になれる」という体験は身体的な疲労を大きく軽減します。ユナイテッド航空の参入により、今後は「エコノミー=座り続ける」という常識が変わり、より多様な過ごし方が選べる時代がやってくるのかもしれません。

