
ルフトハンザ航空向けボーイング777Xのコックピット ©Boeing
ボーイングは2026年5月7日、ルフトハンザ航空向け27機(他に貨物機7機)のうちの初号機となる777-9(登録記号:N20080)の初飛行を、ワシントン州のエバレットにあるペインフィールド空港で実施しました。これは長らく遅延が続いていた777Xプログラムにおいて、実際の顧客に引き渡される「量産型」機体による重要な一歩となります。
今回のフライトは約3時間半にわたって行われ、ワシントン州とオレゴン州の上空で機体システムや構造の標準的なテストが実施されました。従来の試験機とは異なり、この機体にはルフトハンザが導入を進める最新の客室仕様「アレグリス(Allegris)」が完全に装備されています。これにはファーストクラスからエコノミークラスまでの全座席に加え、最新の機内エンターテインメントシステムも含まれており、実運用に近い状態でのテストが可能となっています。

ルフトハンザ航空向けボーイング777X ©Boeing
運航開始に向けたマイルストーン
777Xは当初、2020年の就航を予定していましたが、認証プロセスの厳格化や技術的な課題により、スケジュールは大幅に遅延してきました。しかし、今回の量産型機体の初飛行は、型式証明に向けた試験が最終段階に入っていることを示唆しています。
ボーイングの777/777Xチーフパイロットであるテッド・グレイディ氏は、飛行後のコメントで「機体は期待通りのパフォーマンスを発揮した」と述べ、次段階の試験に向けた自信を示しています。今後は機体の塗装をルフトハンザのフルカラーに変更した上で、客室システムや通信機能に重点を置いた地上および飛行試験が続けられる予定です。

ルフトハンザ航空向け777Xの出発前点検をするジェイク・ミラー機長 ©Boeing
デリバリー時期の予測と展望
業界の動向や現在の試験状況を鑑みると、ルフトハンザへの初号機のデリバリーは2027年の第1四半期になると予測されます。ルフトハンザ・グループのカールステン・シュポアCEOも、2027年初頭の受領と同年夏スケジュールでの本格的な投入に対して楽観的な見方を示しています。
777-9は、現行のボーイング747-400と同等の座席数を維持しながら、燃費効率を20%から25%向上させる設計となっています。ルフトハンザはこの新機材の導入に合わせて、残存する747-400を退役させる計画です。
今回の初飛行成功により、世界で最も強力なGE9Xエンジンと折りたたみ式の主翼端を備えた次世代大型機の就航が、ようやく現実味を帯びてきました。今後数ヶ月間で行われる認証試験の進捗が、最終的な納期を左右する重要な鍵となるでしょう。

