
PTE会場でのSKYTRAX表彰式の案内 (撮影:そらオヤジ組)
航空業界の格付け調査を行うイギリスのSKYTRAX社は、3月18日に2026年度の「ワールド・エアポート・アワード2026」の表彰を行いました。ロンドンで開催されたPTE(パッセンジャーターミナルエクスポ)のイベントの一つとして行われたものです。

パッセンジャーターミナルエクスポの会場です (撮影:そらオヤジ組)
顧客満足度調査にもとづくこのランキングにおいて、シンガポールのチャンギ国際空港が世界最高の空港としてトップに輝きました。日本国内からは羽田や成田をはじめとする7つの空港が、それぞれの専門分野で世界第1位の評価を獲得し、日本の空港サービスの質の高さが改めて世界に示される結果となっています。
シンガポール・チャンギ空港が通算14回目の世界一に
シンガポールのチャンギ国際空港は、2000年以降で通算14回目となる「ワールド・ベスト・エアポート」の称号を手にしました。同空港は総合評価だけでなく、空港内の飲食施設を評価する「ワールド・ベスト・エアポート・ダイニング」や、入国審査サービスの質を評価する「ワールド・ベスト・エアポート・イミグレーション・サービス」など、複数の部門でも世界一を獲得しています。空港を単なる通過点ではなく、滞在そのものを楽しむ目的地へと昇華させた一貫した取り組みが、世界中の利用者から高く支持されました。

世界最高位受賞に湧くチャンギ空港 (撮影:そらオヤジ組)
羽田・成田が世界トップ5入り 清潔さとスタッフ対応で高評価
日本の空港も総合ランキングで存在感を示しています。羽田空港は世界TOP100空港(以下世界ランク)の第3位にランクインしました。部門別では、空港の清潔さを評価する「ワールド・クリーンネスト・エアポート」で11年連続の1位となったほか、「ワールド・ベスト・ドメスティック・エアポート」で14年連続、「ワールド・ベスト・PRM(移動制限者)&アクセシブル・ファシリティーズ」で8年連続の首位を守り続けています。

羽田空港の表彰 (撮影:そらオヤジ組)
また、成田国際空港は世界ランク第5位を獲得しました。空港スタッフのサービス品質を競う「ワールド・ベスト・エアポート・スタッフ」部門での世界1位受賞は、地上職員や保安検査員などのホスピタリティが世界最高水準であると認められたことになります。(クリーン部門4位)

成田空港の表彰 (撮影:そらオヤジ組)
地方空港の躍進 セントレアや阿蘇くまもと空港が部門首位
地方空港の活躍も目立ちます。中部国際空港セントレアは、特定の規模や路線網を持つ空港を対象とした「ワールド・ベスト・リージョナル・エアポート」部門で12年連続の世界1位に選ばれました。アジア圏内でも16年連続の首位となっており、地域の中核拠点としての地位を不動のものにしています。世界ランクでも12位と健闘しています。

セントレアの表彰 (撮影:そらオヤジ組)
さらに、阿蘇くまモン空港が「ワールド・ベスト・ニュー・エアポート・ターミナル」を受賞しました。2023年に開業した新旅客ターミナルビルの意匠や機能性が、世界的に高い評価を得た形です。(世界ランク93位)福岡空港についても、5つ星のリージョナル空港としての初認定に加え、クリーン部門での8位入賞など、安定した評価を得ています。(世界ランク18位)

阿蘇くまモン空港の表彰 (撮影:そらオヤジ組)
LCCターミナルと清掃維持で光る関西と新千歳
関西国際空港は、第2ターミナルが評価対象となる「ワールド・ベスト・ローコスト・ターミナル」部門で世界1位を獲得しました。LCC専用施設としての利便性と効率性が評価されています。(クリーン部門7位、世界ランク25位)

関西空港の表彰 (撮影:そらオヤジ組)
北海道の新千歳空港も、利用者数3000万人以下の規模における清潔さの評価で最高位を初受賞しました。(世界ランク35位)

新千歳空港の表彰 (撮影:そらオヤジ組)
このように日本各地の7つの空港が「清潔さ」や「利便性」という強みを活かして入賞を果たしました。世界TOP100空港の中には他に那覇空港が61位、大阪国際空港(伊丹)が63位にランクインしています。
航空業界の発展と平和への願い
今回の表彰結果を考察すると、日本の空港が持つ清潔さやスタッフの誠実な対応といったソフト面の強みは、国際的な競争において極めて強力な武器になっていると言えます。チャンギ空港のような大規模なエンターテインメント性を持つハブ空港が首位を争う一方で、日本の各空港がそれぞれの役割において「世界一」の評価を積み重ねている事実は、日本の航空インフラの底ぢからを証明しています。
その一方で、今回のスカイトラックス社の発表に際し、例年上位にランクインしていたカタールのドーハ・ハマド国際空港が、緊迫する中東情勢を理由に表彰を辞退したことは、航空業界全体にとって重い意味を持っています。本来、空港は人や文化が交差する平和の象徴であるべき場所です。国境を越えた自由な往来が、いかに世界の平和と安定の上に成り立っているかを痛感せずにはいられません。
各空港が提供する素晴らしいサービスを世界中の人々が享受し続けるためにも、世界平和の実現が切に望まれます。平和であってこそ、空の旅は真の意味で人々に喜びをもたらすものになります。今後も日本の各空港がその強みを磨き続け、世界と日本を結ぶ平和の架け橋として機能していくことを期待しています。
撮影:そらオヤジ組 さかいもとみ(ロンドン在住ジャーナリスト)

