航空機リース会社の予測する2030年に向かう近未来の航空業界

エアバス
Avolon塗装のボーイング787‐9ドリームライナー

Avolon塗装のボーイング787‐9ドリームライナー

航空機リース大手のAvolonが2026年1月23日に発表した「Outlook 2026: Up Next」は、2026年を「次なる大きな一歩」に向けた準備の年と位置づけています。特に注目すべきは、次世代機開発に関する具体的なタイムラインの予測です。レポートの内容に基づき、2027年の新プログラム始動に向けた動きと、主要メーカーの動向を解説します。

2027年の新プログラム始動に向けた助走期間

航空機開発の歴史において、2026年は嵐の前の静けさ、あるいは巨大なプロジェクトが水面下で沸き立つ年になると予測されています。Avolonは、2026年は新型機のローンチにはまだ時期尚早であるものの、2027年こそが新たな商用航空機プログラムが始動する「運命の年」になると見ています。

現在、世界の主要メーカーは既存モデルの派生型となるストレッチモデルや、全く新しいコンセプトの機体、そしてそれらを支える次世代エンジンの開発を同時並行で進めています。これらすべての動きは、2027年の公式発表というマイルストーンに向かって収束しつつあります。

主要メーカーによる派生機と新セグメントの検討

レポートでは、市場のニーズに応えるべく検討されている具体的な機体名称が挙げられています。

まず、エアバスはベストセラー機であるA220シリーズの胴体延長型「A220-500」の検討を進めています。一方、ボーイングは次世代大型機の柱として「777-10X」の構想を持ち、エアバスもこれに対抗するように「A350-2000」というさらなる大型化の可能性を探っています。

また、ブラジルのエンブラエルは、より小型のターボプロップ機市場や、逆に現在より大型の単通路機(シングルアイル)セグメントなど、多岐にわたるプログラムコンセプトを調査しています。中国のCOMACについても、長期的にはワイドボディ機の開発を進展させる構えを見せています。

注目すべきは、単通路機市場におけるボーイングの動向です。現在、ボーイング737-10は、エアバスA321neoに対して市場シェアで大きな溝を開けられており、この差を埋めるための抜本的な対策が不可欠となっています。この市場環境が、新プログラム始動の強力な圧力となっているのです。

Avolon塗装のエアバスA350-900

エンジン技術の革新が機体開発を加速させる

次世代機の性能を左右するのは、エンジンの進化に他なりません。現在、世界の三大エンジンメーカーは、劇的な燃費向上と排出ガス削減を目指した野心的なプロジェクトを推進しています。

  • CFMインターナショナル: オープンローター構造を採用した「RISE」プログラムの開発を急いでいます。
  • ロールス・ロイス: ギヤードターボファン技術を投入した「UltraFan(ウルトラファン)」の実証を進めています。
  • プラット・アンド・ホイットニー: 既存のGTFエンジンをさらに進化させ、次世代機に適合させる機会を伺っています。

これらの革新的なエンジンが実用化の目途を立てることで、2027年の新機体ローンチに向けたパズルのピースが揃うことになります。

2026年は、これらの技術的要素や市場の要求が精査され、各メーカーが巨額の投資判断を下すための「最終準備期間」となります。2027年に向けたカウントダウンはすでに始まっており、この一年の間に各社から伝わる戦略的なシグナルを注視していく必要があります。

Avolon レポート ⇒ https://www.avolon.aero/newsrooms/avolon-2026-outlook-up-next

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