
ファーンボロエアシー2018での737-max7
FAA(米連邦航空局)は8月3日、ボーイングの737 MAX 7に対して型式証明(TC)を発行しました。これにより、ボーイングは長年停滞していた737 MAXシリーズの認証を大きく前進させ、量産済み機の引き渡しに向けて動き出します。
今回の認証は、ボーイングにとって2017年3月に737 MAX 8がFAAの型式証明を取得して以来、およそ9年ぶりとなる新たな民間旅客機の型式証明です。この間、737 MAXの墜落事故や品質問題の影響で、新たな旅客機の認証を取得できない状況が続いていました。

ファーンボロエアシー2018での737-Max7
737 MAX事故で大幅に遅れた認証、約7年越しで実現
737 MAX 7は当初、2019年の就航を目標に開発されていました。しかし、2018年と2019年に発生したライオン・エア610便、エチオピア航空302便の墜落事故を受け、737 MAXシリーズは世界的に運航停止となりました。
事故原因となったMCAS(飛行特性向上システム)の改修に加え、FAAによる認証審査の厳格化、さらにエンジン防氷システムなど新たな技術課題への対応が必要となり、認証作業は大幅に長期化しました。その結果、当初計画から約7年遅れでの型式証明取得となりました。
737 MAX 7は737 MAXファミリーで最も小型の機種、すなわちボーイングの最小機種で、135~160席級の市場を担います。シリーズの中では航続距離が長く、高温・高地空港や短滑走路での運航性能にも優れていることから、サウスウエスト航空の270機発注をメインにウエストジェットの22機、ユナイテッド航空の20機など北米航空会社を中心に需要が見込まれています。
一方、日本の航空会社から737 MAX 7の発注はありません。国内ではANAグループやJALグループが、より座席数の多い737 MAX 8やエアバスA320neoファミリーを主力機材としており、国内市場ではMAX 7が適合する規模の需要が限定的であることが背景にあります。しかしながらANAは過去に旧モデルの737‐700を国際線に投入していた時期もあります。

ファーンボロエアシー2018での737-Max
MAX 10認証と品質改善がボーイング復活の次なる課題
今回の認証がボーイングの完全復活を意味するわけではありません。FAAは2024年のアラスカ航空737 MAX 9のドアプラグ脱落事故以降、生産品質に対する厳しい監督を続けており、認証後も品質管理体制を注視する姿勢を示しています。
また、多くの受注を抱える737 MAX 10の型式証明も残されており、こちらの認証取得が今後の最大の焦点となります。MAX 10は737 MAXシリーズで最も大型のモデルで、エアバスA321neoと競合する重要機種です。

ファーンボロエアシー2018での737-Max
Avian Wingの視点
737 MAX 7の型式証明は、新型機が認証されたというニュース以上の意味を持っています。約9年ぶりにボーイングが新たな民間旅客機の型式証明を取得したことは、737 MAX事故以降続いてきた信頼回復への大きな節目です。
一方で、航空機メーカーに求められるのは、認証取得だけではなく、安定した生産品質と安全文化の再構築です。ボーイングが真の復活を遂げたと評価されるかどうかは、今後のMAX 10認証、737 MAXシリーズの生産安定化、そして航空会社や利用者からの信頼を着実に取り戻せるかにかかっています。
FAAのHP → https://www.faa.gov/newsroom/faa-statement-certification-boeing-737-max-7
画像は4枚とも筆者撮影

