
エミレーツ航空の機内公開にて
航空ジャーナリストの北島幸司です。2025年11月17日から21日に開催されたドバイエアショーの取材記事について、自身のサイトである「Avian Wing」では、航空業界の最新動向や機材の発注状況を中心とした11本のレポートを公開しました。
それとは別に、提携メディアである「Aviation World観光」においても、計16本の連載記事を掲載しています。今回は、観光メディアならではの視点で綴られたこれらの記事がどのような傾向にあるのか、その見どころを解説します。

エミレーツ航空の地上展示は3機並び
ドバイエアショーの多角的な魅力を伝える16本のレポート
Aviation World観光で公開している16本の記事は、一言で言えば「空旅の臨場感と多様性」を重視した内容になっています。業界向けのニュース性が高いAvian Wingのレポートに対し、こちらは航空ファンや旅行好きの読者が、実際に現地で機体を見学し、サービスを体験しているかのような感覚を味わえる構成が特徴です。
具体的には、大手キャリアの最新情報はもちろんのこと、日本では目にする機会が少ない海外エアラインの深掘り取材に力を入れています。例えば、カザフスタンのSCAT航空やアンゴラのTAAGアンゴラ航空、さらには新興勢力として世界が注目するサウジアラビアのリヤド・エアなど、多国籍な翼が描く未来像を、現地の熱気とともに伝えています。

SCAT航空の客室乗務員
旅の質を左右する機内空間とホスピタリティへのこだわり
記事の大きな柱となっているのが、機内のホスピタリティや空間美へのフォーカスです。エミレーツ航空の地上展示レポートでは、8万人以上が訪れた機内を展示会場とした活気に加え、多国籍なキャビンクルーによる温かい歓迎の様子を紹介しています。
また、アクアライン・インターナショナルが公開したボーイング747-412の機内潜入レポートなどは、観光メディアらしい視点が光る内容です。レトロモダンな客室の雰囲気や「ジャンボ機」ならではの風格を、細部まで丁寧に描写しています。単なるスペックの紹介に留まらず、その機体が提供する情緒的な価値や、乗客として感じるであろう高揚感に重きを置いている点が、これらの記事に共通する傾向です。

TAAGアンゴラ航空のエアバスA220
ビジネスジェットのラグジュアリーと空の祭典の醍醐味
さらに、ガルフストリームやボーイングBBJなどの最新ビジネスジェットが提供する究極の快適性や、中国のCOMACが示す世界市場への意欲といったトピックも、旅の体験という軸で切り取られています。エティハド航空のA380による華麗なフライパスや最新鋭A321LRの展示についても、航空機の機能美を称えるだけでなく、それが空の旅をいかに豊かにするかという観点で綴られています。
これら16本の記事は、ドバイという地が持つ華やかさと、航空文化が交差する祭典としての側面を浮き彫りにしています。Avian Wingでの専門的な分析記事と併せて読むことで、ドバイエアショーという巨大イベントの全貌を、より立体的かつ深く理解していただけるはずです。

COMACのビジネスジェットはCBJ
その他の商用サイトでも公開記事有り
また既に公開済の日刊「SPA!」の記事も若者向けに見本市エアショーとはどんなものであるかを共有する体験型の記事として反響を貰っています。
世界の航空会社が競演するこれらの連載を通じて、読者の皆様に新しい空旅のインスピレーションを届けることができれば幸いです。

