【ドバイエショー2025 特集10】エミレーツ航空はパイロット訓練機も出展し育成への熱意を示す

エミレーツ航空
エミレーツ航空エアバスA350-900用フルフライトシミュレーター

エミレーツ航空エアバスA350-900用フルフライトシミュレーター

ドバイエショー2025において、エミレーツ航空は定期便に就航している旅客機3機に加え、将来のフライトを担うパイロットを育成するための訓練機も地上展示し、その存在感を示しました。

パイロット訓練を支える二つの機体

展示された訓練機は、エミレーツ・フライト・トレーニング・アカデミー(EFTA)で使用するものです。これらの訓練機は、エショー会場でビジネス来場者も機体の見学が可能でした。

その一つが、登録番号A6-DADのダイヤモンド DA-42 NG ツインスターです。この双発機は、最新のアビオニクスを搭載しており、パイロット候補生が計器飛行や複雑な機体の操作を習得するために使用されます。燃費効率が高く、環境にも配慮されたエンジンを搭載している点も、現代の訓練機として注目に値します。

ダイヤモンド DA-42 NG ツインスター

もう一機は、登録番号A6-GBBのゲームコンポジット GB1 ゲームバードです。この機体は、曲技飛行も可能な高性能な単発機で、候補生たちに機体の限界や操縦技術の奥深さを体験させ、高度なリカバリー技術や緊急時の対応能力を養う目的で使われています。訓練機を地上展示することで、エミレーツ航空は、パイロット育成に対する真剣な取り組みと、アカデミーの最新設備を一般にアピールする機会としました。

ゲームコンポジット GB1 ゲームバード

公開された最新鋭機シミュレーター

一方、ドバイ国際空港(DXB)近隣に位置するエミレーツ・フライト・トレーニング・アカデミーでは、招待を受けた限定のメディアのみに興味深い施設が公開されました。それが、エアバスA350‐900型機に対応したCAE社製の7000XRフライトシミュレーターです。

エミレーツ・フライト・トレーニング・アカデミーの特徴的な建物

エミレーツ航空は、同型機の新規導入を進めており、その機体の運航開始に備え、パイロットの訓練を本格化しています。

今回、メディア向けに公開されたことにより、その高性能なモーションシステムと高精細なビジュアルが紹介されました。A350の離着陸や巡航時の感覚がリアルに再現されており、エミレーツ航空のパイロット訓練の質の高さをうかがい知ることができました。

A350用は現在2基であと2基増設可能です

定期旅客機、一般公開された訓練機、そして限定公開された最先端のシミュレーターの三位一体の露出は、エミレーツ航空が現在の運航だけでなく、将来の安全と成長を見据えた人材育成にも惜しみなく投資していることを明確に示しています。これは、同社の持続的な発展を支える重要な柱となるでしょう。

取材:文と写真 北島幸司

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