スカイマーク、過去最高売上も利益は伸び悩み 燃油高と円安で「収益構造改革」急ぐ

スカイマーク
スカイマークの記者会見に臨む代表取締役社長執行役員 本橋 学氏(中央)、取締役常務執行役員 桐山 毅氏(左)、執行役員 田上 馨氏

スカイマークの記者会見に臨む代表取締役社長執行役員 本橋 学氏(中央)、取締役常務執行役員 桐山 毅氏(左)、執行役員 田上 馨氏

スカイマークは2026年3月期決算説明会を5月15日に開き、売上高にあたる事業収益が前年比1.4%増の1104億円となり、過去最高を更新したと発表しました。一方で、円安や燃油高、政府支援縮小などコスト増が重くのしかかり、営業利益は18億円にとどまりました。2027年3月期も減益予想を示しており、同社は「収益性の高い事業構造への転換」を急ぐ構えです。

代表取締役社長執行役員 本橋 学氏

過去最高収益を更新 単価上昇で補う

2026年3月期は、有償旅客数こそ前年比1.8%減の799万人となりましたが、平均単価は2.9%増の1万3409円へ上昇しました。価格競争が激化する中でも、需要動向に応じた機動的な運賃設定により収益改善を図りました。

付帯収入も2桁成長を記録。座席利用率は80.1%と前年を下回ったものの、イールドは改善しました。本橋社長は「単価向上施策や付帯収入強化に取り組んだ」と説明しています。

ただ、利益面では厳しさが残ります。燃料費や空港使用料、人件費、システム関連費用などが増加しました。営業費用は前年比約15億円増え。為替差益やエンジン売却益の計上で経常利益、税引前利益は押し上げられましたが、本業の収益力には課題が残る構図となりました。

スカイマークのピカチュウジェット

2027年3月期は減益予想

2027年3月期の事業収益は1208億円と増収を見込む一方、営業利益は15億円、最終利益は8億円と大幅減益を予想しました。

背景には、原油高や円安に加え、新機材導入によるコスト増があります。特に市場金利上昇に伴う営業外費用増加が利益を圧迫する見通しです。

同社は今後、ボーイング737-8(Max)を導入します。従来の737-800と比べ燃費効率を約15%改善できるとしており、機内Wi-Fiの無料提供も進める方針で、そののち207席仕様の737‐10導入が続きます。

スカイマークのピカチュウジェット

「国内線専業モデル」転換へ 燃油サーチャージ導入検討

今回の説明会で大きなテーマとなったのが、国内線への燃油サーチャージ導入です。

本橋社長は「年間800万人が利用する中、100円で約8億円のインパクトがある」と説明。2027年春ごろの導入を視野に、準備を進めていることを明らかにしました。

背景には、国内線専業モデルの限界があります。コロナ後、ビジネス需要は完全には戻っておらず、運賃競争も激化しています。政府補助金がなければ利益の18億円も吹き飛ぶ営業赤字水準だったことも認めました。

同社は「価格競争だけでは持続的成長は難しい」とし、サーチャージ導入に加え、機材稼働率向上やDXによる生産性改善、貨物事業強化などを進める考えです。

スカイマークのボーイング737-800

国際線定期便も視野 「深夜帯活用」に活路

中期経営計画では、2030年度に事業収益1690億円、営業利益140億円を目標に掲げました。新たな施策として、国際定期便参入も検討します。

同社はすでに神戸発台湾チャーター便を運航しており、本橋社長は「台湾発日本行きの需要は非常に強かった」と振り返りました。国内線と異なり、国際線では価格上限が比較的高い点にも可能性を感じたといいます。

今後は、深夜帯に遊休化する機材を国際線へ投入することで、機材稼働率を高める考えを示しています。

スカイマークのボーイング737-800

社長交代へ 「スピード感不足」を反省

説明会公判では、2026年6月25日開催の株主総会後に予定される経営体制刷新についても質問が相次ぎました。

本橋社長は、自身の在任期間を振り返り、「スピード感や戦略性、資本市場への発信力が足りなかった」と述べ、就任時700円台だった株価が現在300円台まで下落していることについても「市場から厳しい評価を受けている」と認めました。

新経営陣については、「筋肉質な会社へ変革するための布陣」と説明しました。外部人材を積極登用し、経営改革や生産性向上を進める考えを示しています。

厳しい事業環境が続く中、スカイマークは国内線依存からの脱却と収益構造改革を本格化させる待ったなしの局面に入っています。鈴与からの社長派遣で時代に逆行する経営TOPの30歳もの加齢は経験の名のもとで再構築されることを願わずにはいられません。

 

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