カナダのボンバルディアは、財務状況改善のため複数の航空機事業部門を売却しています。大きな機体から見るとCSシリーズの小型ジェット旅客機をエアバスに、CRJのリージョナルジェットを三菱航空機に、DHC-8航空機をデハヴィランド・カナダへ。そして2月11日にはビジネスジェット部門のリアジェット事業を2021年で停止することを発表しました。
リアジェットは、1950年代後半にリア氏によって米国で誕生したビジネスジェットの製造会社です。最初の機体は1962年に初飛行したリアジェット23で、翼端にチップタンクを備えたリアエンジンのスマートな設計でした。現在の経営体制になるのは1990年で、ボンバルディアが買収しました。最後の機体はリアジェット75リバティで、9人乗りで航続距離3,852㎞、860㎞/hの仕様でした。
日本では海上自衛隊が運用するリアジェット36Aを転用したU36-A多目的機があり、岩国基地の第91航空隊に配備されています。
ボンバルディアでリアジェット部門という形で生き延びてきましたが、コロナ禍において受注の減退が発生し、会社規模の縮小の道を歩むことになりました。
今後、ボンバルディアはビジネスジェットの中でも収益性の高い、チャレンジャーとグローバル航空機に傾注することになります。コロナ禍で利用者減の影響を受けるのは大型旅客機だけでなく、ビジネスジェットにまで及ぶということで残念です。