A350のコックピットでキャセイパシフィック航空の機長の様子
コロナ禍でエアラインの経営が悪化してかなりの時間が経過しました。特に国際線の運航の回復にはまだ長い年月がかかりそうです。
6月17日付けロイターの報道によると、キャセイパシフィック航空が長距離路線のパイロット業務を一人で可能にする技術開発をエアバスとともに行うといいます。2025年の実現に向けて作業が進む予定です。
諸外国ではエアライン職員の解雇者が増えていますが、パイロットも例外ではありません。この取り組みはコロナ前のパイロット不足の頃から研究が始まりました。今後はコロナ後を見据えコスト削減の大命題のもとでは現実的になるのは時間の問題のように思えます。
実はこの研究は、出発から到着まで完全に一人のパイロットで操縦するというわけではありません。長距離飛行の時間によって、各社のパイロット編成は今でも3~4人であるところ、2人にするというもの。ただ、想定は一人が操縦で一人はコッックピットを離れた操縦外の要因(休憩)の扱いです。そうなると、パイロットの資格は機長のみになりそうです。
HKG国際空港のキャセイパシフィック航空エアバスA350-900
1981年~1982年にかけてボーイング767、エアバスA310が世界で初めてのパイロット2人乗務のワイドボディ機として初飛行しました。それにより3人目の乗務員だった航空機関士の役目は終わったのです。
この先数年で、40年以上続いた2人乗務の操縦席の様子が変わっていくのかもしれません。それほど自動操縦の技術は高まってきたということなのです。