
Bombardier Global8000 ©Bombardier
ボンバルディアは2026年1月23日にフラッグシップ機であるグローバル8000が欧州連合航空安全庁(EASA)から型式証明を取得したというニュースを発表しました。この最新鋭機は、カナダ運輸省(11月5日)および米連邦航空局(FAA)(12月19日)に続く今回の承認により、北米と欧州という主要市場すべてで運用が可能となり、本格的なグローバル展開への道が開かれました。
世界最速の称号を手にした次世代ビジネスジェット、グローバル8000の主な特徴と革新性について解説します。

Bombardier Global8000 のコックピット ©Bombardier
民間機としてコンコルド以来の圧倒的なスピード性能
グローバル8000の最大の特徴は、コンコルド以来、民間機として世界最速を誇るスピード性能にあります。最大マッハ0.95(時速約1,160km)という驚異的な速度は、ビジネスジェットの概念を塗り替えました。飛行試験ではマッハ1.015という音速を超える記録を樹立しており、その設計がいかに高速域での安定性に優れているかを証明しています。
また、航続距離も8,000海里(約14,816km)と極めて長く、ロンドンからパース、ドバイからヒューストン、シンガポールからロサンゼルスといった主要都市間をノンストップで結ぶことが可能です。これにより、世界を股にかけるエグゼクティブにとって最も貴重な資源である時間を最大限に節約できる機体となっています。

Bombardier Global8000 ©Bombardier
長距離飛行の疲労を軽減する業界最小のキャビン高度
長時間のフライトにおける疲労の主因は、機内の気圧高度にあります。グローバル8000は、高度41,000フィート(約12,500m)を飛行している際でも、客室内の気圧をわずか2,691フィート(約820m)という、業界で最も低いレベルに保つことができます。
この業界最小のキャビン高度は、身体への生理的ストレスを劇的に軽減します。到着時の時差ぼけや疲労感を最小限に抑え、目的地に降り立った直後から最高のパフォーマンスを発揮できる環境が整えられています。さらに、病院レベルの空気清浄フィルター(HEPAフィルター)を用いたプル・エアシステムにより、常にクリーンで新鮮な空気が機内に供給されます。
4つの居住ゾーンと究極のウェルネス機能
機内は、プライバシーと機能性を両立させた4つの独立した居住ゾーンで構成されています。仕事、食事、エンターテインメント、そして休息と、用途に応じた専用スペースが確保されており、最大19名の乗客が快適に過ごせる設計となっています。
特に注目すべきは、数々の賞を受賞しているニュアージュ・シートです。無重力状態に近い姿勢をとることができるこのシートは、長時間の移動でも腰や背中への負担を最小限に抑えます。また、バイオダイナミック照明を採用し、目的地のタイムゾーンに合わせて体内時計を調整することで、到着後の活動をよりスムーズにするウェルネス機能も備わっています。

Bombardier Global8000 ©Bombardier
スムース・フレックス・ウィングによる滑らかな乗り心地
グローバル8000は、その巨体と高性能にもかかわらず、優れた離着陸性能を維持しています。先進的な主翼設計であるスムース・フレックス・ウィングにより、気流の乱れを吸収して滑らかな乗り心地を実現すると同時に、競合他社機よりも短い滑走路での運用が可能です。
これにより、主要な国際空港だけでなく、目的地により近い小規模な空港も利用できるため、最終目的地への移動時間をさらに短縮することができます。

Bombardier Global8000 ©Bombardier
ビジネス航空の新たな基準を確立したフラッグシップ
2025年12月の就航開始に続き、今回のEASA認証取得によって、グローバル8000は名実ともに世界の空のリーダーとなりました。比類なきスピード、航続距離、そして最先端のウェルネス機能を備えたこの機体は、ビジネス航空の新たな基準を確立したといえるでしょう。航空業界において、効率性と快適性を極限まで追求したボンバルディアの情熱が、この一機に凝縮されています。

