ANA
CARGOのボーイング777Fの成田⇔シカゴ線就航が始まりました。機材は今年5月に受領しており、先に成田⇔上海浦東空港路線で就航開始していました。長距離を飛べるこの機体の特性を活かした太平洋路線への就航が10月29日に始まったのです。
NH8402便は火・木・土曜日に成田を12:40に出発、シカゴには同日09:30に到着。折り返しNH8401便は同曜日でシカゴを14:30に出発、成田には翌日19:00に到着します。機体は、そのままNH8403/8404便で上海を往復し、稼働時間を上げています。自社貨物便の無い4日は、KZ(NCA)が2便とKD(Western Global)の2便で補います。
今までANA CARGOの貨物便はボーイング767Fだけでしたので、アジア域を出る路線はありませんでした。欧米などは旅客便の床下貨物室が販売スペースだったわけです。それが貨物専用機となって航続距離と搭載量が飛躍的に増えました。貨物機同士を比較すると、767Fと777Fでは、航続距離6,000km/9,000km、搭載量50t/100tと大きくUPします。旅客型のボーイング777-200LR型機の貨物版なので、エンジンも同型であり、旅客型より搭載重量の重くなる貨物機の航続距離を高めます。太平洋をアンカレジで途中給油しなくてシカゴまでダイレクトで飛べる実力を持っています。
米中貿易摩擦で両国間の荷動きが鈍っています。故に日本からの部品供給も抑えられ、世界的に貨物機で輸送する大型貨物も多くを望める環境ではありません。それでも、輸送品質を求められる半導体製造装置や修理のための航空機エンジン、テスト走行する為の完成車など、確実な需要はあります。
大変な時期の船出ですが、今回の就航はANA CARGOの大きな一歩です。