2022年6月8日、ATR Aircraft CEOのステファノ・ボルトリ氏が来日し六本木のリッツカールトン東京にて記者会見を開きました。
今回のCEO来日は2020年2月以来2年ぶり。日本市場は天草エアライン、JAC日本エアコミューター、HAC北海道エアシステムで合計15機が導入済で、この先は新規航空会社のTOKi AIRでの導入や長崎県オリエンタルエアブリッジの機材更新など、運航会社が増え将来は100機納入を目指す重要市場であることを表明しています。
現在、ATRはATR42-600と-600S、ATR72-600と-600Fの計4機種をラインナップし、今後もPW127XT新エンジンの搭載や、新しいハイブリッド航空機のATR「EVO」の開発で航空の脱炭素化された未来への道を開いていきます。
ステファノCEOは、ATRは日本の未来の空に貢献すると発言し、日本において責任ある飛行でもっと安価に繋ぐことができると加えました。
ファブリス・ヴォーティエ シニアVPは、コロナ禍でのEコマースの伸長で、貨物機と貨客混載のCargo Flexが好調であることと、ATRは世界で毎年150~200の新規路線を生み出すルートオープナーであると胸を張りました。
好田(こうだ)二朗ATR日本代表は、Into Airのキャッチフレーズで日本の空に溶け込んでいきます。自然災害の多い日本でも空港さえ残れば飛ぶことのできる復興の懸け橋になると発言しました。
来場者のいくつかの質問にも丁寧に回答する姿が見えました。エンブラエルが新たにターボプロップ機市場に名乗りを上げたことに対する感想を聞かれた時に、ステファノCEOはATR40年の歴史では、7社のライバルがいました。我々の技術があれば顧客の信頼を得ることは可能だとの発言に自信が現れていました。
会場では、登録されたATRの登壇者の他に旧友である設楽淳氏に久しぶりにお会いしました。剰員計画担当とのことで、日本市場でATRを操縦するパイロットを誘致するミッションがあるそう。例えば、乗員養成校でATR機を宣伝するのだとか。記者会見場外でも日本市場でのATRの意気込みを感じました。
設楽氏と
JET機材の比率が高い日本ですが、コロナ禍明けの持続可能な空の旅にはターボプロップ機も見直されるかも知れません。