JAL・ANAの2026年4〜6月期決算を比較 両社減益の背景と明暗を分けた要因

ANA
羽田空港のANA・JAL機

羽田空港のANA・JAL機

インバウンドと国際貨物が牽引し両社とも増収を確保

JALとANAホールディングスの2027年3月期第1四半期(2026年4月1日〜6月30日)連結決算が出揃いました。両社ともに売上高は堅調な旅客・貨物需要に支えられて前年同期比で増収を達成したものの、本業の儲けを示す営業利益および最終的な純利益では揃って減益という結果になりました。

背景には地政学的リスクにて燃料価格の高騰や円安によるコスト増が存在しますが、両社の決算資料を比較すると、コスト構造や事業ポートフォリオの違いによってJALがより深刻な影響を受けている構図が浮き彫りになります。

売上面では、両社とも好調なインバウンド需要や国際貨物の需要回復を捉え、増収を確保しました。JALの売上収益は前年同期比11.2%増の5,237億円となり、ANAの売上高も前年同期比22.6%増の6,727億円に達しました。特に国際線旅客収入や貨物輸送が全体を牽引しています。

ANAのボーイング787‐9

燃料高と円安が利益を圧迫しJALの純利益は8割減

しかし、利益面では暗転しました。中東情勢の緊迫化等に伴う航空燃油費の急激な高騰と円安の長期化が費用を大きく押し上げました。ここで差がついたのが利益の減少幅です。

ANAの営業利益は前年同期比43.5%減の207億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同15.4%減の194億円でした。一方でJALのEBIT(財務・法人所得税前利益)は前年同期比72.1%減の127億円へと激減し、親会社の所有者に帰属する四半期利益に至っては同80.2%減の53億円にまで落ち込みました。この両社の違いは大きいものがあります。

JALがより大きな減益衝撃を受けた最大の要因は、本業であるフルサービスキャリア事業のコスト負担増です。JALの当期営業費用は前年同期比18.7%増の5,168億円に膨らみ、なかでも航空燃油費は前年同期の940億円から1,488億円へと58.4%も跳ね上がりました。その結果、フルサービスキャリア事業のEBITは前年同期の307億円の黒字から8億円の赤字に転落しています。

JALのエアバスA350-900

事業構造の違いが明暗を分ける結果に

ANAにおいても航空事業の営業利益が48.7%減と苦戦しましたが、子会社化したNCAの寄与や非航空事業も含めた全体のスケールメリットが下支えとなり、純利益の減益幅を15.4%に留めました。

JALは、カードや金融をはじめとする「マイル/金融・eコマース事業」のEBITが前年同期比17.6%増の120億円と好調に推移し、グループ全体の黒字を死守する防波堤となりました。しかし、燃油費急騰による航空事業の利益圧迫を補いきるには至りませんでした。

両社ともに需要自体は旺盛であり、燃油サーチャージ調整や運賃体系の刷新による収益最大化を進めていますが、外部環境の荒波に対してどちらが耐力・吸収力を見せられるか、今後のコストコントロールと事業ポートフォリオ変革の真価が問われています。

 

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