今回のエアライン・コンベンションの会場となった、デルタ・フライト・ミュージアムについても説明しましょう。
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港敷地の北側にデルタ航空のワールド・ヘッドクオーターがあります。
ミュージアムはその一角に存在し、デルタ航空での現存する最古の建物が利用されています。1995年に開館した同館は20年の歴史を数えます。
昨年6月にリニューアルオープンした時には話題になったものです。
月刊エアライン2014年11月号にその詳細が紹介されていますので、バックナンバーをお持ちの方は、是非ご覧になって下さい。
航空ジャーナリストの秋本俊二さんとフォトグラファーのチャーリイ古庄さんのコンビで素敵なレポートが掲載されています。
ミュージアムは一般に開放され、水曜日を除く10:30~16:30に営業をしており、日曜日のみ開館時間が12:30となります。
一般の入場料は12.5ドル。日本的感覚では、企業博物館にしてはお高い部類に入ると思いますが、充実の内容を誇ります。
建物入り口には3つのボーイング757ノーズギアが屋根を支えている光景を目にして、これは普通の博物館をは違う意気込みのようなものを感じる事ができました。
1920年から1959年の代表機が展示されています。
トラベルエア6Bが空を飛んでいます。スチンソン・レリアント機は台座の上を回転しながらその姿を360度で見せてくれます。
一番存在感を示しているのは往年の名機であるダグラスDC-3で、機首が上を向いた尾輪機の特徴が解ります。ポリッシュで磨き上げられた胴体が美しく輝いていました。
1959年から始めるジェット機時代館へ繋がる通路が工夫されています。
タイムトンネル風に作られており、青いトンネルの先にはジェット時代を象徴するかのように、エンジンのカウリングが姿を見せています。
ジェット機館では、中央にボーイング767-232 N102DA SPIRIT OF DELTAがどっしりと存在感を示しています。
一階には、コンベア880機の機首部分が設置されており、コックピットを自由に見学できます。会場の端には、DC-9-51の特徴のある尾翼部分があります。
二階に移動すると、ロッキード L-1011トライスターの前部胴体があり、機内に進むと、会議室の仕様になっていることが確認できます。
同じ場所からは、ボーイング767機へ搭乗橋が掛かり、機内へ導かれます。
コックピットを覗いた後は、機内へ足を進めます。
ファーストクラスの2-2-2の座席が3列で並び、その後ろに2-3-2配列のエコノミークラスが3列続きます。
その後ろのスペースは、展示空間になっており、デルタ航空の基礎となった過去のエアラインの各種展示物が、ショーケースに納められています。
最後部には、二体の乗務員マネキンがギャレーで働く姿が再現されており、展示スペースには座席は無いものの、手荷物収納棚は残されており、ドアを開けてみると、古い鞄が収納されている姿を見ることができます。
目玉展示であるカナダCAE社のボーイング737-200型機のモーション付きフルフライトシミュレーターへの入り口があります。
今回、操縦するチャンスが無かったのは残念でした。
多くの歴史的展示物がショーケースに収められているのですが、個人的に興味を持ったものの一つをご紹介します。
過去と現在のファーストクラスシート(正確には現在はデルタ・ワンと呼ばれる独自のクラス展開)を比べたコーナーでした。
最後に、ショップを覗いてみました。
衣類や文房具を始め、模型等も多く販売されています。
現在のデルタ航空を構成する40の航空会社に敬意を評し、展示に反映させる方針が素晴らしいと思いました。その上に未来へ向かって繁栄していくぞという社員の方々の意気込みが感じられる展示を見る事ができて清々しい気持ちでミュージアムを後にする事ができました。
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