伊丹空港発ロスアンゼルス行きノースウェスト026便 ボーイング747は、14時52分に伊丹空港の滑走路を蹴って一路ロスアンゼルスを目指しました。
1992年の初夏の一日は、ノースウェスト航空のサービスを向上させるプログラムがカットオーバーを迎えた年でもあります。
「イヤー・オブ・ザ・カスタマー」という取り組みを具体化する時期であったようで、サービスの刷新が行われました。
具体的な内容は、機内食の充実、ユニフォームの改良、個人用ビデオシステムのワールドリンクの導入、機内誌の日本語ページ登場とかなり大胆にサービス改善を行ったことがわかります。
ビジネスクラスの機内では、油圧で動くレッグレストが目新しく感じます。
初期の座席は、シートピッチも狭かったことからテーブルが前方座席の背面から出てくるタイプから、アームレストにビルトインされているものに変ったのもこの頃です。
機内には、IFSR=インフライト・サービス・レプレゼンタティブと言われる機内通訳の日本人乗務員がいます。実際にサービスを行う客室乗務員とは一線を画した存在で機内全クラスの日本人に対する通訳業務がメインになります。
ノースウェスト航空にとっての日本市場は、極東における最大の基地であることは間違いなく、アメリカ人乗務員もIFSRを通して、日本語を学ぶ人が多い様子です。更には、日本のステイ時にはホテル内に日本語会話クラスが開講しているとのことで、その取り組みは本格的であると思いました。
今までのえんじ色のものから濃紺に変った制服は、ディズニーのデザインとのことで、機内のリニューアルで紺地のシートに変ったので、色調も調和が取れていました。
その後のディナーの時間は、ビーフ、チキン、松花堂弁当の3種類からの選択になります。洋食をチョイスしても、最初の一皿は寿司になっていますので、アメリカ人にも楽しめるようになっていました。
サービス改善の動きは本格的なもので、社内にNBU(ノース・ベスト・ユニバーシティ)なるサービス向上を学ぶスクールを発足させ、グループで取り組んでいるとのこと。
乗務員とも色々話すうちに、到着の時間となりました。現地時間8時57分で、10時間5分の旅を終えました。 長い移動時間が苦痛になるどころか、前向きな乗務員に接して、身が引き締まる思いになりました。
明るい気持ちのまま、空港に降り立つとカリフォルニアの青い空が幸先のいい旅立ちを約束してくれているようでした。
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