Trans Mediteranian Airways(地中海航空)は伊丹空港が国際線時代に見かけていました。機体にはTMA of Lebanonと書かれています。地中海なんて遠く離れてどんな所だろうと思ったものです。レバノン国籍で、ベイルートが拠点なんて想像もつきません。
何の変哲もない、白い塗装のB707が、いつの間にか緑一色に黄色い尾翼の同型機に変ったのですが、これが何とも衝撃で何度も写真に収めたものです。窓の無い貨物機の全体が緑になると、美しい航空機のイメージが爬虫類のようになるのが不思議でした。
そんな機体に搭乗しようとの話が入ったのは、同社に勤める友人からでした。ベイルートは遠いけれど、経由地のバンコクまで一緒に行かないかと。貨物機なので成田空港を夜に出発し、深夜にバンコクに到着なのですが、それもいい夏休みの経験と二つ返事で出発を決めました。
チケットが届きました。大判で手書きの航空券がちゃんとあるんですね。貨物便の多くが夜間出発で、21時過ぎの出発時間でした。
自宅でゆっくりしてから出掛けるつもりが、電話が鳴ります。機材トラブルでのディレーとのこと。翌朝10時に成田集合との話で、実際の出発は12時らしい。タイに目的がある訳ではなく、搭乗自体が目的なので文句無く、期待感をもう一晩味わえると床に就きました。
JALのカウンターでチェックインし、ボーディングパスも出ています。勿論の事ながら、座席指定というものがありません。B707にどうやって搭乗するのか興味深々です。
バスラウンジからバンにて空港北側の貨物地区へ。ランプサイドは、もう夏の陽気で陽炎が立っていました。客室乗務員はいませんので、乗務員が機体にやって来て指示を受けないと身動きが取れません。わくわくしながら貨物の搭載を眺めながら、熱いランプサイドで汗を流しながら待ちます。
(後編に続く)
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