あの熱気からはや2年。日本の旅客型ジャンボジェットの引退からの年数です。あの最後の日を想い出します。
沖縄空港の展望デッキでは、普段と違う人の多さとざわめきがあります。
退役前日なので特にイベントは無いのですが、空港内に流れる風の質が違います。
空港ビルに立つと、明日でジャンボは終わりだぞという声が聞こえた気がします。
それほどまでに、沖縄という場所とジャンボジェットのつながりが深いということを、出発当日のイベントで聞かされたのでした。
フライトを控えて、沖縄市街を一人歩いてみました。
市場の中で珈琲を立ち飲みさせてくれる店がありました。落ち着いた雰囲気の初老の男性が店番で佇んでいらっしゃいます。
アイスコーヒーをオーダーしながら、話してみます。
ジャンボ機ラストフライトに乗りに東京から来たと話すと、「昔は沢山飛んでいたんだ、寂しくなるね」と返してくれました。最終便なのは初めて聞いたと仰るのですが、これが普通の市民の感覚なんだなと思います。旅には、こういうアクセントがあるのもいいですね。
当日は、羽田から最終便となる機体の到着を待ちます。もうゲートは人で溢れかえっています。セレモニーも盛大です。
搭乗ゲートをボーディングブリッジで進むと、退役記念のケーキが置かれていて、あー最後だなと視覚的にわかります。地上スタッフの横断幕も普段と違う光景で一抹の寂しさが胸をよぎります。
機内が一層歓声となったのは、タイ航空のエアバスA380が右舷上空を雁行で飛んだ時でした。勝手に祝賀編隊飛行だと考えながらのフライトも楽しいものです。
一番好きなL2ドア横の座席から伸びる翼とエンジンの見えるポジションを借りて、画像に収めます。
35年前には、スーパージャンボの初便でこの位置に座ったことを想い出していました。