ANAはボーイング777と歩んだ30年の軌跡を披露

ANA
羽田空港で53番ゲートにトーイングされてきたボーイング777-200ERのC3-PO ANA JET

羽田空港で53番ゲートにトーイングされてきたボーイング777-200ERのC3-PO ANA JET

ANAの大型主力機として日本の空を支えてきたボーイング777が、就航30周年を迎えました。1995年12月23日の国内線初就航からちょうど30年。かつての主力機ボーイング747の座を引き継ぎ、今や長距離国際線や国内幹線に欠かせない存在となった同機の節目を祝し、2025年12月23日に羽田空港で記念イベントが開催されました。

プロフェッショナルたちが語る機体への愛着

羽田空港第2ターミナルの53番ゲート横の特設ブースでは、社員から募集した写真の展示、子供向けの制服着用体験コーナーが設置され、ANA機に搭乗予定の家族連れやファンで賑わいました。

パイロットの越智和人さん

トークイベントには、現役のパイロット、整備士、客室乗務員が登壇しました。客室乗務員の北島利紗さんは、チーフパーサーとして初乗務した777の沖縄便で、着陸時に修学旅行生から自然と沸き起こった拍手の思い出を披露。運航乗務員の越智和人さんは、12年のキャリアのうち9年間を共に過ごした思い入れを語りました。また、整備士の西川佳佑さんは、この日のために1年前から準備を進めてきた喜びを伝え、それぞれの立場のプロフェッショナルが機体への深い愛着を示しました。

特設ブースで777との思い出を披露する客室乗務員の北島利紗さん

特設ブースで整備士とパイロットがデザインしたステッカーのデザインを披露する3人の社員

ゲート前で挨拶に立ったB777部機長の林一也さんは、自身のパイロット人生の過半を占める18年間を本機と共に歩んだ経験に触れ、安全運航を支えてきた誇りと乗客への感謝を述べました。ゲート前では当時の制服を着用した客室乗務員が華を添え、30年前の就航当時に思いを馳せるひとときとなりました。

中央はB777部 部長の林一也さん

特別塗装機C-3PO ANA JETによる記念フライト

記念すべき羽田発伊丹行きNH23便には、黄色い機体デザインで親しまれているボーイング777-200ER「C-3PO ANA JET(JA743A)」が投入されました。搭乗者には、整備士とパイロットがデザインしたステッカーや搭乗証明書などの記念品が配布され、ファンにとって大きなサプライズとなりました。

12時24分、390名の乗客を乗せた機体は羽田空港を離陸。コックピットからのアナウンスでは「トリプルセブンが築き上げた安心という絆をこれからも引き継いでいく」という決意が語られました。通常より低い高度1万8000フィート(約5400メートル)での飛行は、富士山も美しく見える航路で短い時間ながらも30周年を祝う特別な空の旅となりました。

富士山がくっきりと見えました。

伊丹空港到着後の折り返しNH028便は、多くのファンが待機する伊丹スカイパークの目の前を力強く離陸し、ファンの脳裏に雄姿を残しました。今後、次世代機777Xへの更新が進みますが、高い輸送力と信頼性を誇るボーイング777は、これからもANAのDNAを象徴する機体として、人々の夢を乗せて飛び続けます。

伊丹から折り返し羽田空港に向かうNH028便

 

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