
エアバスの機体がシンガポールエアショーでフライトディスプレイした
エアバスが2026年2月19日(日本時間19日17:10~18:45)に行った年次記者会見で発表された内容から、2025年度通期決算および年次記者会見の内容を解説します。
2025年度通期決算の概要
2025年度のエアバスは、複雑な経営環境の中にありながら、全ての事業部門で強い需要に支えられ、目標としていたガイダンスを達成しました。民間航空機のデリバリー機数は793機に達し、前年の735機から約8%増加しています。
連結売上高は前年比6%増の734億ユーロ(13兆3588億円)となりました。これは主に民間航空機の引き渡し機数の増加とサービス事業の成長によるものです。調整後EBIT(利払い前・税引き前利益)は71億ユーロ(1兆2922億円)となり、前年の54億ユーロ(9828億円)から+31%と大幅に改善しました。また、当期純利益は52億ユーロ(9464億円)、1株あたり利益は6.61ユーロ(1203円)を記録しています。

A350-1000の急上昇フライト
民間航空機部門の動向
民間航空機部門の受注は好調を維持しており、2025年の総受注数は1,000機、キャンセルを除いた純受注数は889機となりました。これにより、2025年末時点の受注残高は8,754機と過去最高を更新しています。
機種別では、A320ファミリーの増産計画が継続されており、サプライチェーンの状況を注視しながら、2027年に月産75機の実現を目指しています。広胴機については、A350を2028年までに月産12機、A330neoを2024年に月産4機とする計画が維持されています。

エアバスA350-900
ヘリコプターおよび防衛宇宙部門
エアバス・ヘリコプターズは536機の純受注を獲得し、特に軍用市場での勢いが顕著です。売上高は前年比13%増と好調に推移しました。
エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの受注額は177億ユーロ(3兆2214億円)に達し、ブック・トゥ・ビル比(受注対売上比)は約1.3倍と、将来の成長に向けた強固な基盤を築いています。軍用輸送機A400Mについては、能力向上と輸出活動の推進が継続されています。
2026年度の展望とガイダンス
2026年に向けて、エアバスはさらなる成長を見込んでいます。主な目標値として、民間航空機の引き渡し機数を約870機、調整後EBITを約75億ユーロ(1兆3650億円)と設定しました。また、顧客ファイナンス前のフリーキャッシュフローについては約45億ユーロ(8190億円)を目標としています。
筆者は、サプライチェーンの制約や地政学的な不安定要素が残る中でも、同社が着実な増産体制を敷き、過去最高の受注残を抱えている点は、今後の航空業界の回復と成長を象徴するものと捉えています。株主還元についても、1株あたり3.20ユーロ(582円)の配当が提案されており、堅実な財務状況が示されました。

