ウィーンを離陸したオーストリア航空エアバスA340は、巡航高度に達した後、遅めのランチの時間になりました。
ゆったりとしたコース料理の後、最後の珈琲を飲むと、眠気が襲って来る時間です。日本への航路ですので東に向かっていますから、日没は早いのです。
シェードを上げて確かめると、間もなく漆黒の闇になるところでした。
ANAの客室乗務員が乗務しており、共同運航だと解ります。
オーストリア航空の全身真っ赤な制服と、ANAの青では好対照です。
機内では、熟睡する事は少ないのですが、出張の帰路ですので安心感から結構ゆったりしていました。
目覚めれば、到着地の関西空港になるところでした。
突然、揺り動かされます。自分が機内で寝ている事に気が付くまで数秒の時間が掛かりました。
「お客様、おやすみのところ失礼致します。是非外をご覧になってください、オーロラがご覧になれます」
えっ、オーロラ!! 考えてもいなかった出来事。
場所を確認すると、ロシアのサンクトペテルブルグ上空でした。
おもむろに、窓のシェードを上げてみます。
霧に緑の色が付いて、「たゆとう」ている感じです。
縁には、オレンジの光が小さく見えます。機体の動きに反して、実に優美に感じます。長くはない時間でしたが、実に清廉な気持ちにさせてくれました。
「今日のような綺麗なオーロラは滅多に見れないのでお声掛けしました」と、後で聞きました。
その日のフライトは、清々しく朝を迎えることができました。
画一のサービスですと、この場面ではお客様を起こしたりはしないかも知れません。それを、又と無いチャンスとしてサービスに生かしてくれた乗務員には、感謝しています。
着陸の時に、コックピットに招待してくれたパイロットの好意も含めて、忘れられないフライトになりました。
コメント
いつも楽しみに拝見しております。
貴重で面白い体験談は、なかなか得難い情報であり、ロマンを誘います。
素晴らしい人生ですね、平地民族の私には、羨ましい限りです。
本日の私のブログでも、再度ご紹介をさせて頂きました。
いつも見て頂いてありがとうございます。
ブログの話題は、いつも古いもので、時系列もばらばらですが、気軽に読んで頂けければ幸甚です。
素晴らしい人生なんてまだまだわかりませんよ。この先、お互いもっと素晴らしくなるようにしましょうよ。
たまにコメント頂けると励みになりますし、ご紹介頂けて嬉しいです。