航空貨物シリーズ⑪航空貨物の将来はどうなる (後編)

フレーター


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世界中で定期的に動く貨物でフレーターにしか搭載できない物の輸送頻度は低くなっています。

不定期であれば、牛や馬、レースカーやコンサート用舞台装置など多くありますが、それこそいつもある訳ではありません。

「世界のどこかで、半導体や液晶工場が出来る」などと言う場合は、特需として大きな製造装置や建設資材が動いたりしますが、それさえも不定期です。

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また、港湾ストライキで船の貨物が動かせないような場合にも航空貨物の特需はやってきます。

世界は広くて、中国を取り巻く輸送需要が減っても、インドやブラジルなど、BRICS諸国は可能性が高かったりと、日本を含めない三国間輸送では、需要があるものです。 

航空貨物専門業者としての、フェデックスやUPSのポジションは、比較的安泰かも知れません。 
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その理由は、世界中で増加傾向のB to Cの世界では小口輸送がまだまだ伸びると言われているからです。アマゾンが、自社でフレーターを持つなんていう話もこの延長線上にあります。

旅客と貨物の兼業エアラインは、多くはB to Bを得意としていますので、おのずと限界があります。それが理由に、アメリカの三大メジャーエアラインは貨物機を持ちません。

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日本においてジャンボフレーターが、大手電機メーカーのビデオデッキや、オーディオ、デジタルカメラ、コピー機などを航空輸送していた時代はもうやって来ません。今後は、M&Aで海外の輸送業者を飲み込んだ日本郵便が、その輸送量を増やして来るでしょう。また、アマゾンも含めた通信販売の取扱いで、貨物専用航空会社も復活が期待されますが、現在では岐路に差し掛かっていると言えます。 

 

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