ANAが導入したボーイング777の退役が始まっています。
昨年5月には20年間活躍したB777-281型機、機番JA8199が、海を渡りカリフォルニア州サンバーナーディノ国際空港でその余生を過ごす事となりました。
次のエアラインに買い取られて第二の商業飛行を継続する機体はごく一部。
多くの機体は部品取りとなるか、そのまま解体される運命となります。
何れにせよ、その行く末は知られることはありません。
このJA8199の機体の一部が、日本に戻ってきている事を知っていますか?
実は、教育機関の実習教材としてこの4月からの新入生の実地訓練にモックアップとして使われています。岐阜にある中日本航空専門学校(CNA)にはエアポートサービス科があり、将来キャビンアテンダント、グランドスタッフやグランドハンドリングを目指す学生に高度な教育を提供しています。
実機なので、非常用の訓練装置も再現。エアラインの乗務員訓練に使われる物以上の性能を誇ります。機内エンターテイメントや照明なども装備されているのは、航空整備科があって実務経験のある教員が組み立てから整備まで行ったから。モックアップ導入にあたって、B777-200 Team CNAを編成し、全て自前で設置しました。このような環境で学べる学生が羨ましい。
画像ではわかりませんが、B777と200の間のハイフンが小さな文字でJA8199と読めることにこだわりが。学生にいい環境で学ばせたいという学校の意気込みが伝わります。
同校は、47年の歴史を持つ航空専門学校で、整備士養成の為にフライトシミュレーターを設置するほど実習訓練に力を入れています。
学校の担当者が米国で買い付けて来たものが、改めて海を渡り日本の地を踏みました。ANAと提携している同校だから実現した話。
6月以降のオープンキャンパスで公開されますので、見に行ってみたいものです。