今回のATR機搭乗で、快適な空の旅を経験しました。
3か月前には、最大のライバル機ボンバルディアDHC8-Q400CCに搭乗していますので、比較してみました。
JTA機内誌「Coralway」の取材で乗ったRAC琉球エアコミューターのQ400CCもいい機体です。
両機の諸元です。
ATR42
巡航速度: 556km/h
航続距離: 1,326km
エンジン出力:2,400SHP×2
着陸滑走距離:1,055m
最大胴体径: 2,57m
Q400CC
巡航速度: 667km/h
航続距離: 2,367km
エンジン出力:5,071SHP×2
着陸滑走距離:1,268m
最大胴体径: 2,51m
(注:直接の競合になるのはATR72です)
最大の特徴は、Q400の俊足ぶり。エンジンの出力が倍であることと航続距離の長いことが特筆すべき点です。
それを逆手にATRは、Q400と比べて40%の燃費削減をアピールします。
顧客目線で、乗り心地を比べてみます。
今回搭乗した鹿児島⇔沖永良部(約550km)で両機が飛んでいます。
所要時間は、往路ATR 90分
Q400 75分で差異15分
復路ATR 75分
Q400 70分で差異 5分
往路の15分の差は、気になる人がいそうな気がします。
騒音を計った訳ではありませんが、経験した限りは五分五分です。
両機ともプロペラに近い前方座席に座りましたが、離陸の最大出力時以外は隣席の人とも会話を楽しむことができます。
今回の搭乗で、気になった部分はQ400の俊足振り。
短距離よりも、500km以上の中距離で使うとよりいい結果になりそうです。
しかし、「空旅を快適」に過ごすという点で、機窓の視野の広いATRに高得点を与えたいのが個人的意見です。
出力が大きく、主輪を格納するエンジンルームを持つQ400は、翼の下に座ると、近距離の下界が見えますが、遠景が遮られます。
Q400機窓
エンジンが小さく主輪が胴体に格納されるATR機は、視野が広い。
視点を変えて、客室乗務員の動線としては、ギャレー周りや収納の広さでQ400に軍配があがるようです。
それぞれに特徴のある機体。実際に搭乗して比べるのもいい機会です。
現在、往復でこの両機に乗り比べられるのは、鹿児島⇔沖永良部と鹿児島⇔屋久島の二路線のみです。