2025年1月28日、アメリカの航空機製造企業Boomの試験機「XB-1」がカリフォルニア州モハベ空港から飛び立ち、12同回目の試験飛行にて初の超音速飛行を成功させました。 この試験機は、アメリカ初の民間用超音速ジェット機として設計・製造されたもので、マッハ1.122 (約1,350km/h)に達し、音速の壁を突破しました。操縦はチーフテストパイロットのトリスタン・ブランデンブルグ氏が担当しました。
今回の成功は、かつて国家プロジェクトとして進められてきた超音速飛行を、民間の技術で実現した歴史的な一歩です。また、試験機には炭素繊維複合材やデジタル空気力学、拡張現実ビジョンシステムなど、次世代超音速旅客機「Overture」にも応用される技術が搭載されています。
BoomのCEOであるブレイク・ショール氏は、「この成功は、超音速飛行機の実現に向けた重要な成果です。次は、XB-1で得た技術をOvertureに応用と拡張を行い、超音速飛行を多く人に届けたいと思います」とコメントしました。
XB-1の技術的特徴
炭素繊維複合材:軽量で強固な機体を実現。
デジタル空気力学:数値流体力学を用いた効率的な設計。
拡張現実ビジョンシステム:長い機首でも視界を確保し、安全性を向上。
XB-1の成功は、20年以上前に引退した「コンコルド」に次ぐ超音速旅客機復活への道を開くものです。ブームは現在、アメリカン航空、ユナイテッド航空や日本航空などから130機の注文を受けており、マッハ1.7で64~80人を運ぶOvertureの開発を進めています。最大100%の(SAF)持続可能な航空燃料での安全な飛行を目指し、航空業界に新たな可能性を提案しています。